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永い言い訳のmのレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
4.5
Filmarks独占試写会にて。

いい映画を見た。
見終わって、ああ誰かにあいたいな、と、誰かとこの映画の話をしたいな、と思った。
話し相手ではないけど、西川美和監督ご本人から、作品の意図や撮影裏話などを聞くことができて良かったなあ。


突然妻を亡くしたある小説家、幸夫の、永い永い言い訳。
誰かを愛さねば自分も愛せないという言葉があるけど、ほんとうにその通りだなあと思わせてくれるような作品だった。
さびしさの感じ方は人それぞれ。愛し方も人それぞれ。でも、突然消えた当たり前へのさびしさは、時間がかかっても絶対にやってくる。

大人でも、子供でも、素直になれないこと、受け入れられないこと、逃げてしまうことがあって、この世の誰一人として完璧な人間はいない。
自分にも、誰かにも言い訳をする他ない。言い訳をしながら、それでも、生きていくしかない。

やさしく淡い昼の光に包まれながら妻の遺品を大切に丁寧にしまっていく最後のシーンから、きっと、ゆっくり、これから、幸夫くんは妻を愛していくんだろうなあ
ていうか、すごいよね!さちおくん、幸せな夫、って書くんだね、すてきな名前
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