かのん

極秘捜査のかのんのレビュー・感想・評価

極秘捜査(2015年製作の映画)
3.2
1978年。釜山で下校途中の少女が何者かに連れ去られる事件が発生。コン刑事(キムユンソク)は少女の命に危険が及ばないように極秘捜査を開始するが、一向に犯人からの接触はないままだった。少女の両親はさまざまな占い師にあたるが、皆少女の死を告げるばかり。そんな中でキム導師(ユヘジン)だけが少女が生きていると告げた。コン刑事は信用していなかったが、キム導師の予言した日に犯人からの電話がかかってくる…。

ーーーーーーーーーー

刑事と導師がタッグを組んで事件を追うという非現実的なストーリーと思いきやまさかの実話。日本よりも占いを信じるお国柄とはいえ、実際の誘拐事件でも占い師が活躍していたとは興味深い。

この作品でも警察の無能さが特徴的に描かれていて、容疑者への暴行による自白強要や、犯罪者や有力者からの賄賂受領、内部のバランス調整を図るためにコン刑事ではなく足を引っ張った組織が表彰される始末。とはいえ、そんなこともきっとあるだろうとは内心思ってしまうが、最も最悪だと感じたのは事件の解決よりも、それが自分達の手柄になるかどうかしか考えていない姿だった。目の前の被害者救出よりも自らの私利私欲を最優先させる姿が最もやるせない。それでいて評価されるのはそういう小賢しい奴らという現実。コン刑事にはそこをぶち壊してほしかったけれども、そうならないのが現実を基にしている作品だからこそなのかな。

モヤモヤとしながらも、実際の2人に触れられたエンディングで少しでも希望を感じられたのが良かった。キムユンソクとユヘジン目当てで観たけども、知られて良かった作品。
かのん

かのん