たむ

極秘捜査のたむのレビュー・感想・評価

極秘捜査(2015年製作の映画)
3.2
『殺人の追憶』など韓国映画の一つのジャンルに実際に起きた事件を映画化したものがあります。
本作もその一つで、実際に起こった女児誘拐事件の裏に隠された事実を描き出していきます。
舞台が1970年代、『友へチング』の監督がオープニングから時代背景を描き切るのですが、早速不穏な…。
誘拐事件の捜査に占い師が出てきて混乱をきたしてきたり、拷問が横行したり、韓国映画らしい闇の部分がラストまで描き出されます。
その中でも、女児を救うことに専念していく過程で、刑事と占い師に友情が芽生えてくるところに本作の希望はあります。
警察も占い師の師匠もどうしようもない描かれ方をされますが、この辺りが事実なのでしょう。
誘拐事件を捜査する側とその社会背景の葛藤が描き出されていきますが、当時の文化がわからないと難しいところもあります。
映るテレビ番組も知っていると深く楽しめそうです。
『殺人の追憶』ほどの傑作ではありませんが、自国の闇を映画の中で描き出して、昇華しようという姿勢は、韓国映画の根幹にある凄まじさですね。
たむ

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