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巷説百物語 狐者異のHKのレビュー・感想・評価

巷説百物語 狐者異(2005年製作の映画)
3.2
チリ~ン♪「御行為奉(おんぎょうしたてまつる)」

百鬼夜行(京極堂)シリーズでおなじみの京極夏彦による、京極版『必殺!』シリーズとも言える時代劇小説『巷説百物語』の一篇「狐者異(こわい)」の映像化。
原作小説の大ファンでしたが、どちらのシリーズもかれこれ10年以上新作が出てない(?)。
本作は映画ではなく2005年のWOWOW2時間ドラマです。

何度処刑されても蘇る大罪人の噂がお江戸を騒がせ・・・
妖怪の仕業と見せかけて、悪を裁く京極版必殺チームが “晴らせぬ恨み” を晴らします。
今回のお題の妖怪“狐者異(こわい)”は生前の妄念や執着を引きずって成仏できない者が成り果てた妖怪とか。
昔原作を読んだはずなのに、例によって記憶はほぼナシ。

本作の5年前(2000年)にも同じくWOWOWで同シリーズのドラマ版が4話制作されましたが、末期“必殺シリーズ”のごとくギャグ仕立てのB級時代劇になってしまっていてガッカリした記憶あり。
本作はその後スタッフ・キャストも一新された新シリーズですが、今頃ようやく鑑賞。

で、今回は原作に沿ってシリアスかつ面白く作られてるかと思ったら・・・
やっぱり笑わせにきてますね。あ、こっちでも京極本人をチョイ役で発見。
まあ最初のドラマ版よりはだいぶマシなんですが、なぜここまでギャグを増量するのか。
しかも面白いギャグなら文句は言いませんが、これは・・・

キャスティングは面白いんですけどね~。
18年前の作品なんで、今やベテランの皆さん方がけっこう若い。
小股潜りの又市(渡部篤郎37歳)、山猫廻しのおぎん(小池栄子25歳)、山岡百介(吹越満40歳)、事触れの治平(大杉連54歳)。
他にも島田久作(50歳)、遠藤憲一(44歳)、佐藤二朗(36歳)など。

監督は『20世紀少年』3部作や『自虐の詩』などマンガ原作が多い印象の堤幸彦。
小説をマンガの実写化と同じ感覚で撮ったらこうなってしまったのか?
う~ん、素材がいろいろともったいない・・・
HK

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