Tanuki

巷説百物語 狐者異のTanukiのレビュー・感想・評価

巷説百物語 狐者異(2005年製作の映画)
4.2
アマプラで掘り出し物!アニメにもなった京極夏彦『巷説百物語』シリーズの実写化作品。人々を惑わす怪事件を「妖怪のせい」にして解決する展開と、仰々しい台詞回しやキャラクター造形が魅力的。『鬼滅の刃』が人気の今なら、こういう時代劇もまたウケるのでは。

妖怪のせいなのです〜って、言ってることほとんど『妖怪ウォッチ』だよね。同原作者の『京極堂』シリーズは、妖怪与太話を現実の事件として紐解く探偵物なので、『巷説百物語』とは真逆。でも「妖怪は人々の不安を具現化したもの」と捉えたテーマは共通してる。

良いキャラいっぱい出てくるんだけど、吹越満さんが演じる戯作者の山岡百介がやっぱいいな。身分による差別を許さない、世間知らずのお人好し先生。『京極堂』シリーズで言ったら関口くんポジションかな。

妖怪なんていないはずなのに、ゾッとしてしまうラストも好きです。人々の恐怖の正体、知らないままの方がいいこともある
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