リーアム兄さん

13時間 ベンガジの秘密の兵士のリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
ロン「強制じゃない。だが望みは俺たちだけ。」

オサマ・ビンラディン殺害から情勢が不安定になったリビア。主要各国がリビアから大使館職員などを退避させている中でアメリカだけは領事館やCIAの活動拠点を維持していた。シールズやレンジャー隊の出身傭兵から成る民間軍事会社GRSはリビアでCIA職員を警護する事業を請け負っていた。ジャック(ジョン・クラシンスキー)も新たにリビアに配属された元軍人であり、空港でGRSリーダーのロン(ジェームズ・バッジ・デール)と合流する。ビンラディンの殺害により情勢が変わり民主化ぎ進みつつあると考えるCIAだったが、実際は異なり、過激派による攻撃が続いていた。そんな中、クリストファー・スティーブンス大使(マット・レッシャー)がリビアにやってくる。内密にベンガジ市長と会合する予定であったが、報道陣が詰めかけ、リビア全土にアメリカ大使が来ていることが知られてしまう。大使館と異なり、数名の保安要因と現地の民兵で警備をしている領事館はリビア過激派の格好の標的となり、アメリカ同時多発テロからちょうど11年後の夜に領事館が襲撃される。CIAの拠点も標的となり、ロン率いるGRSの長い戦いが始まることになる。

2012年に実際に起きたアメリカ在外公館襲撃事件をテーマにマイケル・ベイ監督が描く戦争映画。
大爆発と米軍が不可欠のマイケル・ベイ作品だが、今回はアメリカが攻撃された実際の事件をテーマにしているだけあり、忠実に史実を再現している内容だった。

終始敵か味方かわからず、いつ襲撃されるかもわからない緊張感がある中で進んでいくが、ところどころでクスッとする演出もあり、いい塩梅で緊張と緩和がある。

「アルゴ」や「ブラックホーク・ダウン」など自国民を救うCIAやアメリカ軍はカッコいいと思うけど、実際に起こってると思うとなんとも言えない気分になる。
この映画の最後には犠牲となったアメリカ側の人のことだけではなく、アメリカ側に迎撃されたリビアの人々の家族が悲しむ姿も描かれており、どちらも報われないシーンで締め括られている。

世の中のことは一方の正義だけでは表すことができない。
そんなことを考えさせられる映画だった。