halu

13時間 ベンガジの秘密の兵士のhaluのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アラブの春の中でも荒れに荒れたリビアでの実話だけど、今回の事件の発端は反ムスリムのアメリカ映画に対する抗議。
…となっているけど、もちろんそれだけじゃなくて元々アメリカへの鬱憤も積もりに積もっていたという部分もあるだろうなぁ。
でも真っ先にその怒りの矛先を向けられるのは、ただ任務を与えられそれをこなすのみに徹している実戦部隊。(なんか鬱憤ばらし同然のクレームを去なすコールセンターと、はなから相手をする気がないのがわかるので余計ヒートアップする客の関係みたいだな……不毛だ……)
「なんの関係もない国で意味の無い戦いで死ぬ」
生死が関係なくとも人間は常に己の意味を求める生き物なのに、こういう立場で死んでいく人達は珍しくもなんともないぐらい数多く居るんだなと思うと本当に恐ろしくなります。
アメリカの愛国心の表現が独特なのは、その心の拠り所だからなのかもなぁ、とか。

銃撃戦の真っ最中にその真横でリビア人がサッカー観戦してたり、主人公が「家にずっと居たいのになぜか(戦場に)戻ってきてしまう…なぜだ……なぜだ」と自問してる様子を見て、人間っていうのはよくも悪くも順応性が高く、どういう環境に身を置かれているかで簡単に人格が形成されてしまうというのがわかるような気がしました。
halu

halu