つれづれなるレビュアー

ヒトラーの忘れもののつれづれなるレビュアーのレビュー・感想・評価

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)
4.0
今回のウクライナ侵攻がなければ、「どうして戦争はいけないのか」という問いにこの映画の鑑賞を勧めたでしょう。

映画としては完璧だと思います。
デンマーク海岸に埋められた地雷を処理するのは、ドイツの少年兵達。
ヒトラーを、ナチズムを強く憎む将校はドイツ語が話せるため、彼らの管理にあたる。
最初は物のように少年たちを扱っていた将校も少年たちの地雷の誤爆による死と任務への葛藤の中で徐々に少年兵との絆が出来ていくが…、という話。

分かっていても来る少年兵達の「死」、あまりにも無慈悲に、無差別に、そして無意味に訪れる「死」。
その理不尽さに映画を見る者は頭を抱えさせるでしょう。
「正義」とは、「悪」とはなど既存の概念を揺さぶられるかもしれません。

ただ一点、タイトルだけはなんとかならなかったのか、と。
英語のタイトルが素晴らしいです。
「The land of mine」
トリプルミーニングの素晴らしい訳です。
残念ながら、日本語の表題が酷すぎるので、星−1です😭😭