停滞

セザンヌの停滞のレビュー・感想・評価

セザンヌ(1990年製作の映画)
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もし表現対象に貧弱な意図を介入させたりしたら自分の卑小さが浸透し失敗作になる。自らの意図を沈黙させねばならない。そのうちなる偏見を一切黙らせ忘れなければ、沈黙させ自然の反響に徹せば、知覚の感光板の上に風景全体が刻印される。

このセリフがこの映画について語り、彼らの主張・宣言でもある。リュミエールとメリエスの対比で言うなら完全に前者であり、自らの創造性を用いてつくるのでなく、映画という記録装置を用いて対象をフィルムに焼き付けんとする。

と言ってもこれは100%ではないですな。額縁に入った絵を映すカットではモノローグ以外に自然的な音が入っている。映像だけを見ればそこは静謐な空間が創造されてもおかしくないが、映像と音で観るものの頭の中に一つの時空間が創造される。だから何ってね。意味わかんねーよこれ。ほんと観ることと聴くことの訓練。
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