あきしげ

後妻業の女のあきしげのレビュー・感想・評価

後妻業の女(2016年製作の映画)
2.5
こういう作品にこそカタルシスは必要でしょうが。

良かった点。

・大竹しのぶのハマリ役
・豊川悦司の悪そうな顔

悪かった点。

・フワフワした結末がクソ
・コメディなのに笑えない
・ムダな濡れ場が多すぎる
・エセ関西弁による違和感

原作はドロドロした内容らしい。
しかも、シリアスな展開らしい。
それなのに映画版はコメディ色。

となれば、思いつく作品に、
『嫌われ松子の一生』
という名作を連想させます。

個人的にナンバーワンの邦画だと思う作品。
それと似たような感じの作品だから期待大。
加えて、大竹しのぶと豊川悦司でのコンビ。
話題作にもなって期待はかなり高くなった。

その結果がガッカリという。

邦画に過大な期待を持っちゃイカンの典型的な例。
もっと強烈なインパクトで攻めてくると予想した。
それなのにずっと同じようなリズムで展開します。
明かな重犯罪を軽いノリでやり過ごす演出の方法。
どうせやるなら思い切ってやるべきだと思います。

『嫌われ松子の一生』はミュージカルになりました。
まったく原作とは違う雰囲気のアレンジという演出。
本作もそれをやるべきだし、やらないと中途半端だ。
結果的に笑えない質の悪いブラックコメディになる。

笑えないブラックコメディほど悲惨なモノはない。
一歩間違えれば、ゴミ映画になってしまうと思う。
それを大竹しのぶと豊川悦司のコンビでごました。

この二人はさすがと言える存在感がある。
しかし、どちらも関西弁が下手すぎます。
関西人じゃない自分でも違和感を持った。
笑福亭鶴瓶と尾野真千子は本物でしたが。

別に舞台を大阪にする必要性があったのだろうか。
アクの強い関西弁じゃないといけないのだろうか。
中途半端に原作を意識したのはマズかったと思う。
ここは思い切ってアレンジしても良かったと思う。
そうすれば、エセ関西弁を聞く事もなかったはず。

あとは本作を貶めるラストの展開。
こういう作品にこそカタルシスだ。
これがないと爽快感が得られない。
観ている側はそれを求めています。
でも、あのフワフワした終わり方。
コメディを意識したラストなのか。
ラストのフワフワがすべてを壊す。

そもそも面白いと思える構成でもなかった。
やるなら思い切りぶっ飛ぶぐらいやるべき。
それが映画化というのだから残念すぎます。
あきしげ

あきしげ