映画男

山口組三代目の映画男のレビュー・感想・評価

山口組三代目(1973年製作の映画)
3.0
当時大ヒットしたらしい。なんでやねん、どういうことやねん。どんなもんかとおもって鑑賞。物語はすこぶるチャチで大したことはなかった。日本侠客伝や仁義なき戦いに比べたらかなり不満足。しかし、やはり健さん。魅せる。とことん魅せる。問答無用で惚れちゃう。健さんは売れる前から山口組と交流があったという。そしてそれは生涯続いたらしい。美空ひばりや吉本芸人を後援したのも本作のモデルである田岡一雄だ。この時代、当たり前のようにヤクザがいて、芸能界と密接に絡み合い、警察とも持ちつ持たれつの関係であった。ほいで世間のみんながそのことを了解していた。今じゃ信じがたいがそんな時代が確かにあったのだ。そうやって時代を辿っていくと、紳助引退騒動はなんか引っかかるし、ヤクザが締め出されて、半グレが警察の目をかいくぐって悪さばっかりしているのはどうなんやとおもう。悪いことするけどカタギには迷惑をかけないというヤクザにあったポリシーは遠い過去になった。戦後、海外の不良をカタギから守ったのも山口組を中心としたヤクザたちだ。今じゃアジアのマフィアが好き放題暴れていて、警察も手に負えていない。持ちつ持たれつの関係は果たしてそんなにあかんことだったのか。国家がヤクザみたいになってんとちゃうか。とか、色々考えたくなる。
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