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レディ・プレイヤー1のandesのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
3.1
オマージュ満載のCG全開娯楽作。オタクのための映画でありながら、万人向けにできたのはスピルバーグならでは。こんだけ飽和した情報をまとめたのは、まず流石。ただ、大味で予定調和、ご都合主義っぽさはどうしてもという感じ。
膨大なオマージュは原作通りなのとスピルバーグの追加分があるのだろう。単純に楽しめる反面、節操がないので、アイテムの性能をどういう形で世界観に落としているかは気になる。アバターの操作方法も若干無理がある(後半の街のプレイヤー達を描写したせいで余計に)。あと、未来の現実世界自体がCGバリバリなので、VR世界との比較の驚きが無かった。いくらなんでも最初の鍵はイージー。など、微妙な点はつつきやすい。
意地悪な見方をすれば、スピルバーグ自身がハリデーの如く過去の過ちを映画で正したくて、パーシヴァルの如く「理想の自分」を作っちゃった。ゲームで遊んでないで、彼女つくれよ!と。成功したオタクはズルい。あと、やっぱり「父親」は不在である。
1点良かったのは、後半アルテミスのアバターに、顔のアザが追加されたところ。ここは現実世界でコンプレックスを克服したことが、仮想現実で反映される(観客が気付く)ニクい演出。主人公との絡みによる成長をさり気なく表現している。
参考作品としては『シン・エヴァンゲリオン』『風立ちぬ』『トイ・ストーリー4』あたり。要はベタな話。もちろん、薔薇のつぼみの『市民ケーン』も。
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