こつぶライダー

レディ・プレイヤー1のこつぶライダーのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
3.9
巨匠スティーブン・スピルバーグ監督が描く近未来冒険ファンタジー。

シリアスな作品からハートフルな作品まで、とにかくなんでも大衆的に作っちゃうスピルバーグ監督が、原点回帰とも言える少年冒険モノに得意のライトSF要素を加えて描いた人気作品。

比較的新しい作品と思っていましたが、既に公開から5年も経過しているとは驚き。

VRの世界「オアシス」を舞台に3つの謎を追うウェイド少年を軸に繰り広げられる戦いを描く。
中身は王道なんだけど、アバターとかの設定が昔の人には馴染めないかも。それこそジェームズ・キャメロン監督の『アバター』によって認知されたけど、今作は仮想世界が舞台。どちらかというと細田守監督の『サマーウォーズ』に近い。

映像は間違いなく驚くってレベル。
なんか見たことあるな〜と思ったのは、ディズニーの『シュガー・ラッシュ』や『フリー・ガイ』だった。

とまあ、この手の作品は"先にやったもん勝ち"って感じが拭えないから、正直『シュガー・ラッシュ』をよりリアルに描いたって程度の印象でした。

もちろん、仮想世界の創造者の魂を感じる内容に仕上げていたのは良かった。
様々な映画や日本の特撮やアニメへのオマージュもあった。
ただし、そちらもスピルバーグらしいレガシィってもので、予想の範疇なんだよね。
映画愛に溢れるのはわかるが、物語自体は中高生向けな感じ。その年代の子たちが『シャイニング』は観てないだろうし、『AKIRA』は認知してなさそう。

宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』にも近いテーマ感があった。
つまりは既視感。オリジナリティではちょいと…
あくまでも裏切り要素を入れて欲しかった。

とはいえ完成度は高い。2時間20分と少々ボリューミーな時間だが、それでもかなりまとまっていて無駄なく飽きずに観終えることができた。

夢のある話。ヴァーチャルな世界と現実世界の融合はなかなか面白くも怖くもある。夢だけじゃなくリアルを充実にってラストをどう受け取るかで評価の善し悪しが変わるかもしれない。
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