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レディ・プレイヤー1のfumingのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.0
サブカルチャーへの愛に溢れた作品。様々な分野や文化のパロディ・オマージュが盛り沢山。全て挙げられないほどに。よって、サブカルチャーの知識や造詣が深い人ほど楽しめる内容となっている。もちろんサブカルチャーに疎くても楽しめる内容ではあるが、中盤には元ネタを知っていれば思わず感嘆するほとの再現度の高いシーンがあり、やはり少しばかり予備知識があったほうが楽しんで鑑賞出来るだろう。
物語の内容としてはバーチャル世界にフルダイブ出来るようになった世界(日本でいうところの『.hack』や『ソードアートオンライン』のような)で、そのバーチャル世界を巡る青春活劇。私利私欲の為にバーチャル世界を掌握せんとする魔の手から、己の居場所を見出した主人公達が悪に立ち向かうという王道展開。サブカルオタクの主人公達がその知識をフル活用して、謎を解いていく様が『ダ・ヴィンチ・コード』のような推理もののようでもあり、またバーチャル世界故に現実世界では敵わないような相手をも圧倒していく姿は痛快である。そして、かつてインターネットの製作者が世界平和と利用者達の助け合いを望んだように、人々が手を合わせる様相は『サマーウォーズ』に通ずる暖かいテーマを感じる。また同時に「ネットやゲーム、SNSの世界にばかり没頭していないで、現実を懸命に生きなさい」という社会風刺と製作者達からのメッセージも受け取ることが出来る。
とにかく、スピルバーグの趣味と彼のサブカル愛に溢れた楽しい1作である。次々と降り注ぐネタ・オマージュの雨あられの元ネタを知っていれば知っているほど興奮と感動、そしてカタルシスを得ることが出来るであろう。(最近の流行りでいうと『ポプテピピック』みたいな感じか)
ストーリーも王道でわかりやすく、所謂オタクじゃない人でもきっと楽しめる。またその筋に詳しい人は、一見だけで無く何度も劇場に足を運んで、元ネタを洗いざらい探してみるのも面白いだろう。
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