湯呑

レディ・プレイヤー1の湯呑のレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.5
社会派ドラマの傑作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』から立て続けに公開されるスピルバーグの新作は、打って変わってビデオゲームをテーマにしたSF娯楽大作である。全編を通じ、おびただしい数のアニメやゲームのキャラクターが引用される本作は、ATARIの『Pong』からゲームに接しているというスピルバーグのマニアぶりが遺憾なく発揮されている。
スピルバーグは『Call Of Duty』や『Forza』といった最新ゲームもプレイしているらしく、ビデオゲームの世界を舞台にした本作のアクションシーンは、その経験が活かされている様に見える。主人公に課せられた3つの試練の内、1つ目は『Burnout Paradise』や『マリオカート』を彷彿とさせる、レーシングゲームの体裁を取り、2つ目ではキューブリックの名作『シャイニング』を引用しつつ、それを『バイオハザード』ばりのホラーゲームの舞台に変えてしまう。3つ目の試練をめぐる戦闘場面が、『Halo』や『Gears Of War』からインスパイアされている事は確実だろう。
ゲームファンから見ても「わかってるな!」と言いたくなる、ツボを押さえたシーンの連続で、しかもそれが単にゲームの世界を再現しただけではなく、ちゃんと面白そうなゲームに見えているのも流石だ。そう言えば、スピルバーグが過去に制作したパズルゲーム『ブーム・ブロックス』もシンプルな操作と奥深いゲーム性を両立させており、「わかってるな!」と感心したのを思い出した。
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