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レディ・プレイヤー1のphixyのネタバレレビュー・内容・結末

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます



非常によくできた映画である。
サービス精神も随所にあり、脚本もいい。

ディストピアと現代的近未来社会の間のような舞台。
ゲームを題材にしながらも映画や音楽といったサブカルチャーを広く扱っている。
私オタクじゃないし…と尻込みせずに見ても十分に楽しめる作品だ。

ただ結局万人向けなので、オタクの方がかえって楽しめないかも。
未見の人に対して、オタクにとっては無条件で楽しめるというアドバイスをするのには疑問がある。

私はロボットやオンラインゲームが好きだ。
「増え続けるゲーム内通貨でリアルデバイス買えるのはだめでしょ」
「簡単にPKできる爆弾なんか作っちゃいけないし、あったもしても大手ギルドががめるはず」
みたいなオタク的突っ込みどころが多い割には、オタクネタが少なくて物足りないと感じた。
ガンダムは本家で3DCGアニメがたくさん作られてるので、わざわざ出す意味も薄かった…
キャラクターをただ出せばいいというものではないが、ハリウッド的にはしょうがないのだろう。
(ハードコアやファンボーイズ、ピクセルはオタク的に楽しめた)

以下、ネットで物議を醸している「現実>ゲーム」という終わり方について

序盤、ゲームばかりに引きこもり家族とうまくコミュニケーションをとれず、ゲーム内でも一匹狼を気取る主人公。
ゲームを金儲けのために使う企業。

ゲームの製作者は、現実を捨てて空想に入れ込んだことで、現実世界で多くの後悔をした。
その後悔を追体験させることで、ゲームや映画をよく知りながらも、現実世界の大事さを知る人にオアシス&賞金(空想世界と現実世界)を託そうとした。

主人公は、後悔を追体験したことによって、後半は現実の大事さに気づくのだ。

よくできている話ではないか。
序盤の主人公と同様に空想世界に入れ込んだオタク達が、主人公と同じ気づきを得られなかったことが非常に残念に、悲しく思えてならない。
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