たけちゃん

素晴らしきかな、人生のたけちゃんのレビュー・感想・評価

素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)
3.9
取りもどしたい、失った愛と時間と死


デヴィッド・フランケル監督 2016年制作
主演ウィル・スミス


タイムラインがララランドで溢れかえる中、僕はこちらをレビューします(^-^)


日本題はもちろん、あの「素晴らしき哉、人生」をなぞっていますが、原題は違います。

Collateral Beauty 映画では「幸せのおまけ」のように訳していましたが、娘を無くしてどん底にいる主人公に、その死という悲しみの中にも必ず付随してくる幸せのようなものがある、と説いていました。

フランク・キャプラ監督作の「素晴らしき哉、人生」は、It's a wonderful lifeですから、直訳に近いですね。


でも、脚本の中にキャプラ監督作の意図したものが生かされているので、邦題があながちダメというわけではありません。

僕は邦題から予想されるあまりにも有名な名作を、逆にどう料理するのかがとても気になりましたので、なるほどね~と思いながら、観ていましたよ。

もちろん、キャプラ作を知らなくも全く問題ないし、リメイクではないので、安心して観にいってください。



病気で娘を失い、仕事や生きる意味さえも見失った主人公に、もう1度生きる力を取り戻させるストーリー。

オープニングで見られるウィル・スミスは、あのバラエティでもよく見る人懐こさなのに、3年後の彼は別人のよう。役者としてのウィル・スミスを改めて見直しました。

そして、本作はそれだけじゃない!


ナオミ・ハリス、エドワート・ノートン、ケイト・ウィンスレット、マイケル・ペーニャ、ヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイ、ジェイコブ・ラティモアなど、錚々たる名前が並びます。

今作は、この俳優らの演技合戦が素晴らしいんです。個人的にはヘレン・ミレンが素晴らしかったなぁ。舞台役者の役なんだけど、とても上手い!

あとは、ナオミ・ハリスが印象的。途中から分かってはいたけれど、えっていうラストが待っています(^-^)




デヴィッド・フランケル監督の作品はプラダを着た悪魔やマーリー(世界一おバカな犬が教えてくれたこと)なんかが知られていますね。少しコメディタッチの演出が得意かと思うのですが、この作品、コメディ色は全くなし。派手な演出もなし。でも、グイグイと話に引き込まれました!

愛、時間、死というキーワードを柱に、色々と考えさせる脚本でしたね。

僕にも妻や子供がいますので、自分の人生とも重ねながら、こうなったらどうしよう、こんな場合どうしよう、と本当に考えながら観ていました。



ラストの意味は「素晴らしき哉、人生」を知っているとニヤリとすると思いますよ。
僕はやっぱりねって思いました( ˘ ˘ )ウンウン

心温まり、自分の人生も振り返って考えられる素敵な作品でした(^-^)