鰹よろし

S.W.A.T. ユニット887の鰹よろしのレビュー・感想・評価

S.W.A.T. ユニット887(2015年製作の映画)
1.0
 1つのミスが命取り、常に死と隣り合わせの危険な事件現場へと投入されるSWAT隊員のクリスは、数々の事件を解決に導いてきた敏腕だそう。状況判断に優れることで上司や同僚からの信頼も絶大で、SWATは自身の天職だと感じている。しかし身重の妻に絶大な心配と絶大な苦労をかけていることが何よりもネック。

 ある日、犯人追跡中に相棒のサムとの間で連携にミスが生じ、その懲戒処分としてとあるビルで行われるパーティでの警備の仕事を言い渡される。しかし警備主任やゲストである議員(?)からも厄介者扱いされ、会場の外へと追いやられてしまう。

 そんな矢先、ビル内で不審な動きを感知する。それはFBIの要注意人物リストに載る男が指揮する犯罪組織のテロ計画だった...

 クリスはSWATという精鋭の中でもさらに随一の腕前を誇るという設定だそうだが、彼の言動からそれが一切感じられないのが致命的。過小評価され不当な扱いに甘んじるしかない状況においても正当性しか感じられず、秘めたる力が発揮され困難な状況が打開されていく彼の英雄的活躍への期待は皆無。

 主人公の実力の線引きができないので、敵となるテロ組織の脅威が推し量れないし、そもそもテロリストたちも少しどころか抜けている方たちなので、SWATとテロリストの駆け引きにおいて因果関係が築けず、まるで互いが互いに別の相手を想定しているんじゃないかと疑うレベル。かと思えば途端に察しが良くなりどうぞどうぞと譲り合いを魅せ強引にお話を動かし始める始末。

 普段どう機能しているのかわからないどこ映してんねん?という監視カメラからの情報に信頼を寄せているのには唖然とするし、一般人に緊急放送が流されるくらいの緊急事態に、警察が情報共有せず勝手に情報を錯綜させ混迷を極めさせていく展開には呆然。

 テログループに人質に取られたはずのランディス博士が次の瞬間にはなぜだか相棒のクリスが保護してるし、もしかしたら一卵性双生児で2人いるんじゃないかっていう博士の件が一癖二癖あるのだがこの件が全く必要性を感じないモノなのにドヤ顔で落とすってんだからついて行けないよ。

 それにこの落としにするならば、博士を保護するに至った経緯と、それを成し遂げたクリスの活躍は絶対に描かなきゃダメなのに全カットて・・・

 これいつどこゲームのノリで脚本書いたでしょ。「いつ」「どこで」「誰が」「何をした」を互いに情報を伏せて全て別人が書いてるでしょ・・・


「アート・オブ・ウォー」(2000)...
鰹よろし

鰹よろし