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犠牲者たち
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『犠牲者たち』に投稿された感想・評価

ukigumo09

ukigumo09の感想・評価

3.7
パトリック・グランペレ監督による1996年の作品。彼の監督作品は日本で一般公開されたものはないのだけれど、ドキュメンタリーやテレビドラマなど幅広くこなす監督だ。クレール・ドゥニ監督の『パリ、18区、夜。(1994)』では役者として出演している。そして『ニキータ(1990)』や『レオン(1994)』の監督として有名なリュック・ベッソンが、17歳の時初めて映画制作の場に足を踏み入れたのは、パトリック・グランペレ監督の短編映画の現場である。そういった縁で、アフリカの大地でライオンと一緒に育った少年を描く壮大な物語『シルガ(1993)』ではパトリック・グランペレが監督、リュック・ベッソンが製作総指揮としてコンビを組んでいる。

本作で注目すべきはやはり原作者のボワロー=ナルスジャックだろう。ピエール・ボワローとトマ・ナルスジャックの2人で数多くの推理小説を残しているが、映画ファンにはアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督による『悪魔のような女(1955)』やアルフレッド・ヒッチコック監督による『めまい(1958)』の原作としてお馴染みである。ミステリ小説に分類される彼らの作品には、名探偵なる人物が得意気に事件を推理し、一同の前で犯人を暴き出すという退屈なお約束はない。文章が当事者の視点で書かれているので、些細な謎でも読者は自分が体験しているように感じ、頁を繰る手を止められなくなるのだ。彼らの小説は誰が犯人かというのは大きな問題ではなく、この人物(多くは女性)はいったい何者なのだという、小さな疑問が巧みな筆致や構成によって、言い知れぬ不安や恐怖を駆り立て、見事なミステリ世界を形成している。

映画はパリの場面から始まる。編集者のピエール(ヴァンサン・ランドン)はマヌー(フロランス・トマサン)という女性と恋仲だ。彼らは愛を語り合っていたかと思えば、互いを罵り合い、そうかと思えばベッドの上で激しく愛し合う。そんな情熱的な2人だけれどマヌーには夫ベルナール(ジャック・デュトロン)がいた。このベルナールはダム建設の仕事をしている。彼はモロッコに新たに5基建設するということで、マヌーも夫について行くことになっていた。マヌーと片時も離れたくない情熱的なピエールは、偉大な建築家についての伝記シリーズにベルナールを採りあげ、その取材という名目でモロッコに同行する事にした。

しかし出発の時、空港にはマヌーの姿はなく、ベルナールからは妻の叔母が重病なので看病に行って、後日モロッコに来ると聞かされる。しかし妻がやってくるという日に、ピエールはモロッコの空港に迎えに行くと、ピエールが知るマヌーではなく、ベルナールの妻と名乗るクレール(カリニ・ヴィアール)が現れる。マヌーを愛し、忘れられないピエールだが、なにがなんだか分からぬうちに、クレールとも深い仲になってしまい、彼女のある計画に加担することになる。

物語の性質上多くを語るのは野暮なのだけれど、都会的でひんやりとした空気のパリでマヌーと愛し合い、荒涼とした灼熱のモロッコでクレールに惹かれるピエールをヴァンサン・ランドンが演じるというだけで痛快だ。ベルナールの妻という同じ肩書きを持つ女性の出現は、ユーモラスであると同時に、不条理劇を観ているかのような不安感が心に残り、いつしか観る者を闇に陥れるだろう。

蛇足ではあるが『犠牲者たち』の原作では、ピエールたちはモロッコではなくカブール、つまりアフガニスタンに行く。原作が書かれた1964年と映画制作の1996年ごろでは状況が全く変わってしまった事による変更だろう。1979年ソ連のアフガニスタン侵攻に始まるアフガニスタン紛争は、1989年にソ連が撤退しても、断続的な戦闘状態で映画撮影どころではなかったはずだ。一方モロッコといえばアフリカ大陸の中でも有数のダムの密度の高い国である。1990年代には31基のダムが建設されている。モロッコであまり水不足が深刻化しないのはダムで安定した飲料水の供給ができるからであり、こういった背景があるため、本作のベルナールという強欲な男はこの地に新たに5基のダムを作りに出かけたのだ。

この作品では、ヴァンサン・ランドンを惑わす、ベルナールの妻という肩書きの2人の女性の正体が分かるのは、映画の最後の最後である。結末が分かったうえで、もう一度観てお芝居の質などを観察すると、もやもやが解消し溜飲を下げることができるだろう。
emlps

emlpsの感想・評価

3.3
ケーブルTVでたまたま流れてたフランス映画を何気なく見始めたらなかなか面白くて、ラストに謎が明かされた時の感じが良くて、出来た映画だった。不意に出会えるのは嬉しいな。