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ザ・ギフトのearのレビュー・感想・評価

ザ・ギフト(2015年製作の映画)
3.3
前評判を聞いてから観たからかな。期待しすぎか、これ系を観すぎているのか。

演技というか演出がとても上手くて
(偶然知人と再開したときの雰囲気、その後の流れが自然すぎて、性格の悪い成功者の周りは当前のように性格悪目の友人が取り巻いているのもリアルで自然で)引き込まれるように観たけど人間怖い系の胸糞度合いでいうとNetflixで関連にあがってくる「不吉な招待状」「リバース」とかの方が上かも。その基準は主人公の善悪によるんだろうね…。

男がクズなのは間違いないとして、そのツケが当然のように無関係のパートナーや子どもに及ぶのってやるせないな。

最低男と分かったら捨て時まちがえるなという教訓……?

最後の方、「憎い相手をぶちのめすには最愛の人ないし配偶者を痛めつけるのが一番効果的(特に男には)」なんだろうと思って。元は気弱げで優しげな男も取る手段はそこなんだ…というのが物悲しくもある。

出会った頃の様子とか、あとあと分かってきてから思い返すと主人公はどんな気持ちでいたのかどこまで瞬時に思い出したのかとか、いろいろ想像は膨らむ。

普通の後味の悪さって「何も悪くない主人公が酷い仕打ちにあって理不尽!」とか「確かに悪いけどそこまでする!?」とかだけど、この作品のそれは「元々は被害者だった今作の仕掛け人が結局全然救われてない」って所…。
昔の加害者に復讐?はできたかもしれないけど彼の壊れた人生はそれによって好転しないし、一矢報いて何か少しでもプラスの事があったんだろうかと観た人は考えてしまうから。

それは最後の最後まで、彼視点で語られる事はないからだろうな…。
キャスティングが正解すぎる。特に復讐者の彼は、監督やりつつキモとなるサイコ演技。物足りない?怖くないって意見もあるけどいやいや。物言いたげな目線の演技とか……やばいよ。

ジョエル・エドガートン。
これ観て覚えました。
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