くるぶし

セトウツミのくるぶしのレビュー・感想・評価

セトウツミ(2016年製作の映画)
3.5
高校生ふたりの放課後、たわいもない言葉のやりとり。果たしてこれらを映像化する意味があるのか、って思った人は多いはず。けど、予告編だけでそれはいらない心配じゃないかと思い、本編公開が待ち遠しくて仕方なかった。

「まほろシリーズ」の大森立嗣監督が得意とする、“THE男”の香りがする男の子のための作品。
あの耳に残る音楽も、ふたりの制服の着こなしも、つかず離れずの関係も、みんな愛おしくてたまらなかった。瀬戸と内海の関係性は、自分からしたら激しく嫉妬してしまうほど濃密でかけがえのないものだ。
人よりもパーソナルスペースが狭い瀬戸がぐいぐい内海との距離を縮めていく大胆さに笑い、心の奥に抱える悲しみや寂しさを別の言葉にすることで解き放たれている内海の心情に胸をうたれる。そんな難しい話じゃねーよ、って笑われそうだけど、お互いがお互いを必要としている感じが伝わってきてじーんときた。続編希望。
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