ほぼ全ては小川沿いでのセトとウツミの会話に終止し、その会話劇で関係性、お互いの情報を探りながら、更なる情報を求めていく展開。取り敢えず、邦画若手俳優1,2の凄みと大森監督の緩急の演出力と情報の提示の仕方の確かさに唸る。
役におもねった下手な俳優であれば安いコントになるところを、しっかりと市井の高校生として、存在している菅田がまず素晴らしいし、華奢な体を駆使した十分なアクション性で魅せる。また、語られないが池松のダークだろう家庭環境も、良い匙かげんだ。他の登場人物がほぼ説明だけのロールだったのが、少し残念ではある。
まあ、他に語るべきことはないくらいシンプルな構成だが、映画に必要な要素は満たしていると言わんばかりの大胆不敵な佳作。
こういう高校時代の無駄話というのも良いもんだなと。
