1.死の煙
■ あらすじ
『智里は死にゆく人の肩に揺らめく煙を見ることができる。
SNSで見つけた幼なじみの果歩の写真は煙に取り巻かれていた。
果歩を救うため、故郷に戻った智里はダムの浮き橋をわたる果歩を目にする。
はたして彼女を、死から引き戻すことはできるのだろうか。』
■ 感想
同窓会で撮影(スマホ)した写真を、主人公と友達Aと友達Bが道端で笑いながら確認し合っている。
友達A「この子、この前首つり自殺ちゃって・・・。」
↓
友達Aが主人公にスマホを差し出す。
↓
そこには、深夜の公園内のブランコの近く撮ったあろう集合写真に、ろくろ首が満面の笑みで華麗にバク宙している姿が・・・。(ホラー演出)
え・・・。
なにこれ??
ホラー演出入ってるみたいだけど、ここ怖がる所なの??
こんなんで怖がる訳ねーだろが、ヴォケ!!
完全にギャグシーンじゃねーか!!
首が伸びてる=首つり自殺の暗示って言いたいだろうけど、色々おかしすぎだろ!!!
大体、何でみんな集まってる写真撮ってるのに、一人だけ華麗にバク宙決めてんだよ!!!
シュールすぎだ!!!
主人公は、この写真を見ても何の反応も出来なかったけど、まあそりゃそうだ・・・。
「この子自殺したんだって」と言われて、ろくろ首の写真見せられたら、どう反応すりゃいいのか分からん。
そういえば、主人公の地元の近くにあるロープウェイのゴンドラなんだけど、
「ほんとにあった!呪いのビデオ8」→廃村
「いる。 怖すぎる投稿映像13本」→廃墟ゴンドラ
にて心霊現象が起こった場所なんだけど、撮影スタッフは大丈夫だったのだろうか・・・。
それにしても、「ほんとにあった!呪いのビデオ8」と「いる。 怖すぎる投稿映像13本」で、全く同じ場所で撮影したのにも関わらず、幽霊の設定が違うのは一体どういう事なんだろうな・・・???
◎「ほんとにあった!呪いのビデオ8」
設定:珍しい廃村
怪奇現象:子供の声が聞こえる。
◎「いる。 怖すぎる投稿映像13本」
設定:廃墟マニアにとっては有名な名所。
怪奇現象:ゴンドラから女性が登場。撮影者を睨みつける。
2.生霊
■ あらすじ
『正樹は植物園で出会った沙紀と不倫している。
正樹には結婚して三年になる妻がいたが、沙紀の柔らかい笑顔に抗うことができなかった。
ある日、家に帰った正樹は、妻から植物園と同じ薔薇の匂いを嗅ぐ。
その頃から沙紀は、自分が何かにとり憑かれていると訴えるのであった。』
■ 感想
このシリーズを何作か鑑賞したが、どれも象の下痢のようなクオリティであり、はっきり言って糞映画好き以外は観る価値のない作品だと思う。
だから、この話も微塵も期待していなかった。
しかし、予想に反してクオリティが高く、かなり興味深い作品となっていた。(あくまでこの手のオムニバスホラーの中ではだけど)
人間の醜さや怖さを上手く表現できてたし、ミスディレクションも効果的に機能させていた。
◎ 描写不足
全体的に見ると比較的いい出来だとは思うのだが、確実に描写不足と思える箇所も見受けられた。
「死の煙」を外し、この物語の描写不足を改善すれば、結構な良作になってたと思うのだが・・・。
① ラブシーン
不倫を題材にしているにも関わらず、この話にはラブシーンが一切ない。
キスはおろかハグすらだ。
不倫相手とイチャイチャしてるシーンといえば、お互いがお互いのストローで突き合ってるくらいのもんだ。
これも見ようによっては、イチャついてるのではなく、単に友達同士がふざけてるように見えなくもない。
それ以外は、2人で会えば大体が喧嘩してる。
不倫相手「何で私の所に来るんだよ・・・もう帰れよ!!」
などと、罵詈雑言を言ったり、時には主人公を包丁で刺し殺そうとしてくる。
こいつら何で不倫してんだ・・・??
これでラブシーンの1つや2つがあれば、まだ多少の説得力があるものの、そういったものは一切ないので、お互いが愛し合ってるとは到底思えないのだ。
まあ別にラブシーンがなくても、お互いが愛し合ってることを描けばいいんだけど、喧嘩ばっかり描かれてもなぁ~。
2人がどうしようないくらい愛し合ってる事を明示されていればこそ、主人公が妻との離婚を決断した事に対する説得力が生まれるのだが・・・。
本作を観る限りでは、主人公がメンヘラ好きのイカレた超ドMにしか見えないぞ!!
② 離婚
物語の終盤、主人公が妻と離婚することになるのだが、そこのシーンは一切描かれず、ナレーションで説明するだけで済ませている。
他のジャンルならいざ知らず、不倫を題材にする作品なら、離婚に至るまでの経緯はしっかりと描くべきではないだろうか・・・。
オチをあのような形にするなら猶更だ!!
離婚に至る経緯を描くと描かないとでは、ラストの悲劇性が全然違うぞ!!(妻が笑顔で別れたら尚の事いい)
3.禁断の遊び チャーリーゲームの呪い
■ あらすじ
『久美はクラスメイトの3人と流行っているチャーリーゲームをしに廃校を訪れる。
彼女たちはYES/NOを書いた紙をテーブルに置き、呪文とともにゲームを開始する。
ゲームは惨劇を呼び寄せる。
廃校に凶器を手に彷徨うチャーリーの姿。
暴走し始めたゲームを終結することはできるのか!?』
■ 感想
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれは 知性の欠片もないJK4人組が 「こっくりさん」もどきをして 呪い殺される話を観ていたと思ったら
いつのまにか 「陽キャ2人組vs陰キャ2人組vsゾンビ1匹」の 血みどろ壮絶デスマッチになっていた』
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一応、「一般投稿者が体験した出来事を再現VTRで映像化」というのが本作のコンセプトとなっている。
先の「死の煙」と「生霊」に関して、実際に起きた出来事とは考えにくいが、今回の話はもう別次元でありえない話となっている。
こんなゾンビを交えた女子高生同士の殺し合いが、実際に起きる訳ねーだろ!!
仮にこんな事が実際起きたとしても、わざわざ投稿する訳ねーだろうが!!
まあコンセプトとは違うのだろうが、序盤から中盤にかけての人間が狂っていく様は上手く表現出来てたし、話自体は興味深いものとなっていた。
ただ、後半は完全に蛇足・・・。
ゾンビなんて余計なものを投入せずに、女子高生同士の血みどろデスマッチだけにすべきだ!!
あと、校舎から簡単に脱出できる状態にしてはダメだろ!!!
一応、"友達を見捨てる訳にはいかない"といった理由付けはされているものの、陰キャ主人公と陰キャ友達との友情や、陰キャ主人公が友達想いといった描写がほとんど無いので説得力がない。
陰キャ友達との絆があるのなら、そこはしっかり描くべきだろ!!