みかん

マグニフィセント・セブンのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

黒澤明監督の『七人の侍』をハリウッドリでメイクした『荒野の七人』、さらにそのリメイク版である本作。

今回の時代は1879年の西部開拓時代のアメリカ。
大まかなストーリーは『七人の侍』、『荒野の七人』と同じです。
『七人の侍』は野武士から農民百姓を助ける戦い、『荒野の七人』は盗賊から村人を助ける戦い。
そして本作は、悪徳実業家に土地や財産を奪われた町の住人たちを助ける戦い。

本作は、個性的でバラエティに富んだ、そして豪華なキャストに、七人が画面に揃うだけで楽しい!!
『七人の侍』も『荒野の七人』も生まれる前の作品だし、俳優さん達も名優が集っていますが、出演作とか全然見たことないので凄さが実感できてないんですよね。
なので、キャストで見たときに一番テンションが上がったのは、私にとって馴染みがある面子ばかりの本作でした!
七人はキャラクターの人種も黒人、白人、アジア人、アイルランド人、メキシコ人、ネイティブアメリカン等バラバラなのも特徴的。
キャラクターの設定も結構変わっていて、明らかに『七人の侍』や『荒野の七人』を踏襲しているキャラもいれば全然違うキャラもいて、比較しながら見るのも楽しかった!
『荒野の七人』も本作も、キャラがオリジナルに忠実なのは勘兵衛と久蔵くらいでした。

私的キャラ解釈はこんな感じ↓
・リーダーのサム・チムザ(デンゼル・ワシントン) → 勘兵衛、クリス
・ギャンブラーのジョシュ・ファラデー(クリス・プラット) → 立ち位置的に五郎兵衛と七郎次? 雰囲気は菊千代っぽい、荒野ではヴィンかな
・賞金首バスケス(マヌエル・ガルシア=ルルフォ) →?
・凄腕の狙撃手グッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク) → リー?
・グッドナイトの相棒でナイフの達人ビリー・ロックス(イ・ビョンホン) → 久蔵、ブリット
・熊のようなジャック・ホーン(ヴィンセント・ドノフリオ)→ 平八?
・弓使いの狩人レッド・ハーベスト(マーティン・センズメアー) → 強いて言えば勝四郎、チコかな

皆かっこよかったけど、個人的には特にクリプラとイ・ビョンホンが好きでした!
イーサン・ホークも素敵や!
過去に捕らわれた男の哀しい姿が似あってますわ。
イーサン・ホーク演じるグッドナイトとイ・ビョンホン演じるビリーのコンビも良かったな。
一人一人の活躍もフューチャーされていて、死の局面も丁寧に描かれていて良かったです。
ただ、七人のうちレッド・ハーベストは一緒に行くってなったきっかけが唐突すぎて思わず笑ってしまった。。。
もうちょい、合流する理由に説得力が欲しかった気もします。
偶然会っただけだしな。。。

戦闘シーンは迫力あるし、早打ちもカッコいい!
本作は今の技術でできる表現の魅力もちゃんとあり、見ごたえはありました!

『七人の侍』や『荒野の七人』との一番の違いは、ラスボスとの対峙シーンだと思いました。
本作ではサムが依頼を受けて戦った理由が、町を守るってこと以外にもあったってところとか。
戦う理由に個人的な動機が絡んでいるので、これは賛否別れそう。
他2作では、無私の精神を貫いていたからこその美しさ、尊さがありましたし。
あと、彼らは自分のためではない戦いに挑んだ英雄として締め括られるエンディングが、他2作に比べると戦って勝ったのに残る虚しさや寂しさの様な雰囲気はなかったかなと思いました。

個人的には『荒野の七人』よりは本作のほうが好きでしたね!
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