ククレ

マグニフィセント・セブンのククレのネタバレレビュー・内容・結末

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

「七人の侍」は映画史に燦然と輝く傑作やと思ってて、リメイクである「荒野の七人」も、テイストは違うけど大好きやねん。だから、この作品は敬遠してたんやけど…。

うーん…デンゼル・ワシントンもクリス・プラットもイーサン・ホークも好きな俳優。そして今一番惚れてる女優ヘイリー・ベネットも出てるのに…これは本当に残念な作品…。「ポリコレ改悪」のせいで、オリジナルの良いところがことごとく抜けてるやんけ。

以下はネタバレ…





まず、この時代設定で「黒人が裁判所の執行官」というのがあり得へんやろ。そしてそれを誰も揶揄したり差別したりせず、みんなが受け入れてるのはおかしい。この時代に黒人が馬に乗って人種や民族がバラバラの「クセ強メンバー」を引き連れて町にやってきたら…絶対に拒絶されるやろ!この辺りで嫌な予感はしてた。それに、オリジナルでは仲間を集めていく過程が面白かったのに、なぜか次々と簡単に仲間が集まる。みんなの動機がようわからん。「東洋人のナイフ使い」までは何とか理解できたけど、先住民はなんで仲間になったのか?生レバーを食べれたから?

そしてそれを依頼するのが、フェミニンな衣装のヘイリー・ベネット。スカートやし、あんなに胸の開いたセクシー衣装なのに誰も気にしない。あんな粗野な男達と一緒に旅してるのに、誰も言い寄ったりせえへんやん。無理あるやろ。我慢できへんで。

何と言っても、「七人の侍の菊千代」「荒野の七人のチコ」にあたる役がおらへんのが失敗やと思う。「直情型で未熟な若者」がいないから、「仲間同士の結束」や「町人との交流」「精神的な成長」とかの要素がスッポリ抜け落ちてしまってるねん。それぞれがまとまってない状態やのに、そのまんま決戦になるから誰にも感情移入できへん。

挙げ句、ガトリングガン登場…。敵味方関係なく乱射してメチャクチャに。作戦も駆け引きもあったもんやないで。距離も離れすぎちゃうか?1台だけで移動もさせず、あんな広範囲にダメージ与えられるか?しかも、壁を貫通する破壊力…。

結局、黒人執行官の動機は、「家族を吊るされた」という「黒人奴隷としての私怨」やったんやね。それはあかんやろ。オリジナルでは、町の悲惨な状況を知って義憤に駆られて、戦いに臨んでいたはず。だからこそ「マグニフィセントな7人」なんとちゃうの…?エンドロールであの名曲が流れるけど、もったいなく感じたで。

「古い価値観の映画を多様性のある新しい価値観に変える」というような狙いがあったんかな?でも、生き残った3人の人種を見ると違和感しかない…。不朽の名作を換骨奪胎して上書きしてしまうようなことは良くないのでは?
久しぶりにオリジナルを観たくなったなぁ。
ククレ

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