ヤスマサ

マグニフィセント・セブンのヤスマサのレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
4.0
「荒野の七人」を基にしたウェスタン。
悪漢バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)から町の住人を守るために立ち上がったアウトロー7人の活躍を描いたアクション。
賞金稼ぎを生業とする、カンザス州ウィチタの巡廻裁判所の委任執行官であり、アーカンソー、ネブラスカ他7州の治安官でもあるサム・チザム(デンゼル・ワシントン)は、お尋ね者を求めローズ・クリークの町にやってくるが、仕事の手際の良さと高い拳銃の腕を見込まれて、悪徳実業家に牛耳られているこの町を救って欲しいと頼まれる。

広大な西部の景色が美しく描かれていて、特に背景に映る空は、昼夜とも印象深い。
ボーグが金鉱の土地を広げるローズ・クリークの町での惨劇から始まる。
マシュー・カレン役のマット・ボマーが早々に殺されたのに驚いた。
アントワン・フークア監督とデンゼル・ワシントンのタッグだけに期待を裏切らない内容だ。
どの時代でも、デンゼル・ワシントンは怒らせてはいけない男なのだろう。
保安官も買収され、無法地帯となった町では、秩序を取り戻すため、命を守るためには、賞金稼ぎでも何でも頼りたいところだ。
初めは、夫を殺されたエマ・カレン(ヘイリー・ベネット)の申し出をあしらっていたサムは、バーソロミュー・ボーグの名前を聞いて気が変わる。
単なる勧善懲悪ものでない感じが伺われるところだ。
「荒野の七人」を基にしているとのことだが、七人はサムの黒人を筆頭にアジア系、メキシカン、ネイティブ・アメリカンなど多様性を意識したような面子。
彼らのキャラクターや背景に、もう少し焦点を当てても良かったようにも思えるが、それでも自分のためではない命をかけた戦いに、十分胸が詰まる。
みんな歯が妙に白いのが気にはなるが、痛快で、勇気とは何かを観られる作品。
“ so far, so good. ”「まだいける」は、『荒野の七人』へのオマージュを感じる。
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