わさび

マグニフィセント・セブンのわさびのレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
4.0
最近映画を観る余裕がなかったが、漸く一本鑑賞出来た。
友人達の間で人気のあったこの作品、いやあ、良かったです。
ベースとなっている『七人の侍』も『荒野の七人』も未見だけれど、それでも充分に楽しめるガンアクションロマン。

舞台は19世紀のアメリカの、鉱山の麓の田舎町。鉱山から金塊が採れると判明した途端、悪徳事業家のボーグとその一味が町を乗っ取り、住民達は低賃金で苦役を強いられ、抵抗する者は即射殺、という悪政に苦しめられていた。
そんな中、ボーグに家族を殺された一人の勇気ある女性が、全財産を擲って流浪の強者ガンマン達を雇い、ボーグへの復讐と正義の奪還を試みる、そういうオーソドックスなストーリー。

七人強のガンマン達が皆かっこよく、キャラクターの描き分けもきちんと出来ており、派手なガンアクションも非常に魅力的だった。
本来なら、ガンマン達それぞれのストーリーをもっと描いて、個性を更に引き出して欲しかった……そう思うところなのだが(実際そう思った人は多いだろう)、私個人はこのフークア監督の過去作『キング・アーサー』を観た際に、彼の作品はディテールを楽しむ為のものではなく雰囲気とノリで以て軽率にお祭り騒ぎをする為のものなのだと知っていたので、今回もそこは不問に付した。寧ろ、"彼には実はこんな暗い過去があり……"とか"哀れな悲しい生い立ちで……"とかいうシーンを挿んで観客の同情を惹こうとしないあたり、潔いじゃないかと思ったくらいだ。

よって、私はどのキャラに対しても軽率にキャーキャー言いながら鑑賞させてもらったわけだが、就中飛びぬけてかっこよかったのが、ナイフの使い手・ビリーを演じたイ・ビョンホン。今まで彼には全く興味がなかったのだけれど、この映画のお蔭で、とても良い俳優なのだと認識出来た。特に髪型が良かったと思います、ええ。
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