Lila

バービーのLilaのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.3
アメリカ同日公開のオッペンハイマーを優先しましたが、追ってRPXで観ました。正直、当初ネタ的に惹かれておらず、この1か月映画館に行く度に予告編が流れて食傷気味になり、観るか否か自体悩んでました。

その理由の一つに、超絶可愛いマーゴット・ロビーと永遠皆の彼氏ライアン・ゴスリングは、分かるけども、さすがにバービーの世界を描くには年齢いきすぎてないだろうかとか思ってましたが、蓋を開けてみたらキャスティングには至極真っ当な理由がありましたね。予告編だけ見た私の早とちりでした、ごめんなさい!w

結論、傑作でした。

ジェンダーを扱うに完璧な題材だったと思います。過去の歴史があるからこそ。ケンの視点も含めて描かれていて、未来にいく希望を感じました。

観終わった感想は「危ない、危ない、危うく観ないところだったわ」って自分を戒める形に。予告編はほんの触りで、何も見せてません。全く別の作品に感じました。映画好きなら、是非観ておくべき作品だと思います。

美術やセットは言わずもがな。宣伝されているとおり、完璧な世界観です。

構成やセリフ、皮肉含めたコメディはアメリカのポップカルチャーを知っていれば知ってるほど面白いです。私はMatchbox20が流れてきたあたりからツボ過ぎて、しばらく声出して笑ってました。

これ見よがしなセリフやシーンも多いですが、若者や子供が見る事考えるとあれくらいストレートで、少し説経節じゃなきゃ伝わらないだろうなーと納得してます。

小学校低学年をアメリカで過ごしましたが、人形好きでもないのに当時みんなからのお誕生日プレゼントはバービーばっかりで違和感を持ってた方なので、バービーに嫌悪感持ってる高校生の子には感情移入できました。

バービーだけじゃなく、ケン側の視点も描かれていて、そのバランス具合がかなり好み。ガールパワーの良さを出すためにも、ジェンダーを扱うにはケン側の気持ちを描く事は必須。ケンはライアン・ゴスリングでなければ成り立たないとすら思えました。彼の過去実績やキャリアも全て乗っかってます。最早これまでのライアンが全て前フリに見えてきます。

会場は満席。お客さんみんなピンク着てて、ドレスコードあったっけ?って不安になったほどみんな士気が高い!もちろんエンディングは大拍手!さすがアメリカ!興行成績も今年1位の走り出して納得です。

この作品は、また新たな分岐点になりそうですね。これをプロデュースしてるのが、バービーマーゴットロビー本人であることが全てのメッセージです。

追記: アカデミー賞ノミネート発表がありましたが、役者全員落ちても、グレタ監督は入ると思ってたから、それにびっくりしてます!ちなみにマーゴット・ロビーの落選は納得してます。今年の主演女優賞のレベルは異次元です。ちょっと手が届かないかな、と思います。
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