いろんな要素が詰まった傑作。
単純なフェミニズム映画やポリコレ映画じゃなかった。性別にかかわらず、すべての人をエンパワーする映画。
世界にはびこる固定観念やステレオタイプを声高に告発するわけではない。「これって滑稽でしょ?」と笑いに転化する。
「男性性」のウザさとか笑うしかない。
男の蘊蓄語りの根底には、女性蔑視とは言わないまでも、女性に対する上から目線があると気付かされたり。あいたたた。
クライマックスで流れるビリー・アイリッシュの「What Was I Made For?」が本当に美しい。
この問いへの答えは「目的なんてものはない」だろう。ケンは、ただケンであるだけですばらしい存在なんだから。
「何者か」にならなくても、人生には生きる価値がある。