ヒカル

バービーのヒカルのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
5.0
前作の若草物語で完璧な映画を見せられ、天才と崇めているグレタ・ガーウィグさんの久しぶりの新作が公開されたので金曜朝一に一般字幕にて鑑賞。もちろん期待値は4.5以上とGotG3,spider verse2並みにハードル高めなので厳しめ評価になる事をご了承ください。


前置きはいつも劇場の予告の間にスマホを切れとスクリーンから言われるまでに書いてるのですが、すみません、グレタ教に既に入信済みなのかも知れませんが、厳しいスコア付ける事が無理でした。信者の戯言と以下を流してください。
 

グレタ教日本支部信者Aの感想は人類全てMUST SEEの満点です。


最近パヤオさんの一般人には駄作に思える映画を観て信者の人の"魂が震えた"等のレヴューを見て頭がおかしいのかと思いましたが、本作も私にはぶっ刺さり脳みそを掻き回されました。出来れば若い時にこの映画に出会える事が出来たら良かったなと残念な気持ちは有りますが、死ぬまでに観れて良かったと思います。

フィル・ロード&クリス・ミラーも私はグレタ・ガーウィグと同様に天才と崇めており、レゴ・ムービーを傑作と思っておりますが、本作を観て彼らも負けたと思ったのでは無いでしょうか。本作が刺激となりスパイダーバース3を史上最高の映画に仕上げてくれる事を願っております。

しかし、バカだと思っていたアメリカ人は本作をハリー・ポッター以上のヒット作にしてしまってます。最近、日本の凋落が言われてますが、文化レベルも圧倒的な差がついてしまっているのかも知れません。(ワイスピ10・ミッションインポッシブル7など日本ではかなりヒットしてますが、アメリカでは落ち込んでます。)


以下はかなりネタバレです。








・マーゴット・ロビーはかなりブサイクな感じでスタートします。ブサイクと超美人のギャプが激しいマーゴット・ロビーは本作を主演するために生まれたかのようなはまり役でした。どんどん美しくなるマーゴット・ロビーをワンハリ以来に堪能しました。グレタ組のシアーシャ・ローナンの出演が無かったのは残念ですが、グレタさん次回作でグレタさんと共にオスカーをゲットしてくだされば良いかと思ってます。

・人間界の娘とお母さんの強烈なセリフが本作の脚本の凄さかと思います。娘さんのマゴロビへの一撃でマゴロビへの感情移入をうながし、お母さんのロングな演説は全男性を打ちのめし、全女性のジャンヌ・ダルクとなり本作を名作へと昇華させました。
 
・シム・リウとライアン・ゴズリングも良かったですね。途中の謎空間でライアン・ゴズリングの上手くないが心に響く熱唱での男性陣のダンスシーンはミュージカル好きとしてはもう一度みたいシーンであり、ライアン・ゴズリング再度のミュージカル映画出演を希望します。

・サントラはチャーリーXCX,FIFTY FIFTYなどアップテンポないい曲が多くスパイダーバース2のサントラ並みに聴き応えありますが、ビリー・アイリッシュが美味しいところ持っていきましたね。脳みそやられてるところに全然好きじゃなかったビリー・アイリッシュの癒やしの歌声に私はやられてしまいました。

・途中でマーヴェリックのビーチバレーシーンを揶揄する様なシーンがありますが、それを観ていながら本作を支持したトム・クルーズは男前が過ぎると思いました。さすがは映画界を救った男ですね。


日本での評価は原爆称賛プロモもあり微妙なものとなりそうですので、早めに2回目を観に行こうと思ってます。




以下は2023/8/12追記

昨日の客の入り(初日初回祝日153席の小さめの箱で約25%)から直ぐに終演となりそうなので翌日2回目を観るために劇場へ 

本日も同じく朝一の字幕一般で客の入りは酷く18人/153人なので着席率は11.8%。京都にお住みの方は早めに劇場へどうぞ。

2回目は前日にユーチューブ、ブログで研究してから視聴。

まずはどうでも良い小ネタ

・ツァラトゥストラはかく語りきは冒頭の2001オマージュ部だけでなくケンがリアルワールドで男性優位社会にワクワクしているシーンでもかかっていた。ケンにとってのモノリスだったのですね。(IGN JAPANで気のせいかもと仰ってましたが確認しました。私は初見気が付きませんでした。)

・マーメイドバービーはデュア・リパでその相方ケンがジョン・シナ。ジョン・シナは変なかつらで解りにくいです。

・マトリックスオマージュのシーンも良いですか、最期にマゴロビが婦人科検診に向かう時の靴が同じ靴。オマージュ+伏線回収はみんなニヤリの良いシーンですね。

・後半の洗脳を解いて行くシーンと男性には身に覚えがあるがありすぎて面白いながら過去の自分も同じじゃないかと羞恥心に襲われて脚元が崩れ落ちそうにになりました。全部で6個〜7個くらいで憶えてるのが

1 教えたがり (フォトショ)
2 うんちく(ゴッドファーザー)
3 スポーツでマウント
4 眼鏡女子の眼鏡を外して君は美しい
5 財テクでマウント
6 音楽と歌で口説くのが夢

特に2は映画好きの我々は自戒しないといけないですね


更にどうでも良い私の好きなシーン

5位 ケンの救済シーン  
バービーワールドでは添えものであったケンも独立した個人であるとのバービーの反省から発生した思考により救われ、バービーは人間界へ旅立つ事が可能となるが、ライアン・ゴズリングのバカキャラを真面目に演じきった演技により良いシーンでした。(モジョ道場カサハウスを何度も連呼するところはライアン・ゴズリングも楽しそうでした。言いたくなる気持ちは良くわかります。)

4位 娘のマゴロビ初対面時の強烈なディス
あの年齢でここまでのセリフは流石にアメリカでも難しいと思うが、男女平等を得るには女性はここまで賢く攻撃的にならなければならないのかも、と逆に娘と友達のここまでの修羅の国的な世界の一旦が見えた。後半のバービーワールドの男性に尽くす女の方が自分には楽に見えるとも思わせて素晴らしい対比となっていた。また、マゴロビはトロフィー系の金髪白人美女であり、過去を思い本気で泣いたようにも見えて、自分も観ているのが辛かった。

3位 男子組のダンスバトルシーン
ライアン・ゴズリングの歌 シム・リウの決め顔共に素晴らしく、質はスピルバーグのウエスト・サイド・ストーリーに劣るかもしれないが、イン・ザ・ハイツ並みにわくわくさせられた。グレタ・ガーウィグはミュージカル映画をやりたいとのことですので今後の楽しみが増えました。

2位 お母さんの長回しセリフ
素晴らしい脚本と素晴らしい演技。女性が普段感じてるもやもや感をここまで言語化出来るのは天才としか言いようがなく、私は男性なのでぶちのめされて初見は感情が崩壊した。来年のオスカーの助演女優賞と脚本賞はコレでお願いします。

1位 ラストのビリー・アイリッシュのシーン
ビリー・アイリッシュについては全く興味を持って無かったが、何度もぶちのめされた後にこの曲に癒やされて涙腺が崩壊し、にわかのファンになった。本作はタイトル、曲調、歌詞もシーンに合わせておりスパイダーバース1以来のベストサントラと思ってるが、来年のオスカーの歌曲賞はコレで間違いないかと思います。
 

しばらく会社の糞みたいな用事で映画に行けないが、奇跡的に9/2までやってれば3回目行きたいです。

素晴らしい映画ですね。



以下は2023/8/17追記のオマケです。

この映画は自分としてはお母さんの長ゼリフとラストシーン(withビリー・アイリッシュ)を何度でも劇場で観たいのですが、時間も金も無い自分のような方はビリー・アイリッシュのwhat was I made for?のライブver.で我慢してください。

これも良いですよ。本日で公開後2日目ですが、109万再生行ってますので同じ様な人が多いのかと、

https://youtu.be/cNzH19D6s_I


2023年9月3日追記

9月2日(土)字幕版がレイトショーにて1コマだけかろうじて残ってたので信者として悔いが残らないように3回目視聴。(小箱に28人(内外人3)と1コマなのでまぁまぁの入り)

サントラが良いと言いながら、PINK、デュア・リパ、テーム・インパラ、アイムジャストケン、ビリー・アイリッシュ、ニッキー・ミナージュの6曲しか認識できておらず、その辺りの確認をサブテーマとして視聴。

もちろん至高のシーンの数々(娘の毒舌、モジョ道場カサハウス連呼、アメリカ・フェレーラの演説、アイムジャストケンとシャンチーのダンスバトル、ラストのマゴロビ瞳からビリー・アイリッシュ、ニッキー・ミナージュのエンドロール)を楽しむのがメイン


3回目も良かったです。

1、2回目に刺さらなかった貴方は美しいのシーンも初めて自分にも刺さり、ラストのビリー・アイリッシュはもちろんですが、3回目視聴も無事にやられてグレタさんの力が入ったシーンは全てやられコンプしたような気がするので、信者としての務めは3回目でほぼ果たしたかと思います。


サブテーマのセットリスト? 誰も興味と思いますが記しておきます。記憶力悪いので抜け抜けで間違いも多いと思います。
1 冒頭2001パロ 
ツァラトゥストラはかく語りき
 byリヒャルト・シュトラウス
2 バービータウンとバービーハウス
PINK by lizzo
3 ダンスパーティー
Dance The Night by デュア・リパ
4 再びバービーハウス
 PINK by lizzo(歌詞と映像のマッチングが○) 
5 車でバービータウン外へ(その後もいつも歌う)
 Closer to fine by Indigo girls
6 バービータウン外からリアルワールドへ
Jorney to The Real World by テーム・インパラ
7 ロサンジェルス到着
 WATATI by KAROL G
8 服を盗んで逃走、逮捕
 Choose Your fighter by Ava Max 
9 サッシャにめちゃくちゃ言われる前
 Barbie Dreams by FIFTY FIFTY (自信なし)
10 車でアメリカ・フェレーラがサッシャを迎えに来た時の車中BGM
 Forever & Again by The Kid LAROI(自信なし)
11 マテル社でのバービーの逃走シーン
 Speed Drive by チャーリーXCX
12 バービー逃走シーンの途中にルース・ハンドラーからお茶をいただくシーン
 What Was I Made For? (インストver.)by ビリー・アイリッシュ
13 バービーランドに帰ってきてビーチが様変り
 Man I Am by サム・スミス(自信なし)
14 バービーが無気力になりぶっ倒れている時
 butterflies by GAYLE (自信なし)
12 サッシャとアメリカ・ファレーラが怒って帰る車中にケンダムに変化しラジオも曲が変わりアランが怒る
(焚き火で弾き語りも同曲)
 Push by ライアン・ゴズリング(Matchbox Twenty)
13 男子の海でのバトルと謎空間ダンスバトル
I'm Just Ken by ライアン・ゴズリング
14 マゴロビの瞳から様々な人生が映る美しいシーン
 What Was I Made For?  by ビリー・アイリッシュ
15 エンドロール1
Barbie World(with AQUA)by ニッキー・ミナージュ、Ice Spice、AQUA
16 エンドロール2
What Was I Made For?  by ビリー・アイリッシュ

小ネタ
・ニッキー・ミナージュのBarbie Worldにサンプリングとして使用されることとなったAQUAのBarbie Girlはマテル社より商標権侵害で訴訟されている。(2002年にパロディとして棄却、マテル社とはその後、和解し後述のBimbo Girl部分などを歌詞改変してプロモで使用されている)

・AQUAのBarbieGirl内の歌詞にあるBimbo Girl(おバカなギャル)はサッシャがバービーを罵倒するシーンで引用されている

・本作の音楽プロデューサーであるマーク・ロンソンはIce Spiceを通じて面識のないニッキー・ミナージュの参加を可能にしたとのことで、上記のAQUAの件なども勘案するとエンドロールを飾るにふさわしい奇跡的なコラボ曲となった。(もちろん私はビリー・アイリッシュがダントツの最高ですが)
ヒカル

ヒカル