ノラネコの呑んで観るシネマ

バービーのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.7
なるほど、こう来るか。
バービーランドの位置付けを含めて、色々な意味で予想を裏切られる。
某名作映画のパロディとして、バービー人形の歴史が紹介される冒頭からグレタ・ガーウィグの演出はキレキレだ。
一番予想外だったのがケンの役割で、バービーランドでは彼は添え物に過ぎない。
ところが、二人がやって来る現実世界は真逆。
ケンはすっかり自分が主役になれる「男社会」に感化されてしまう。
これは、過度に理想化されたバービー人形の世界観を、批評的に描きながら「女の子は虚構で夢喰ってればいい」になっていないか?というマテル社の自戒も含めて、現実と架空の二つの極端な世界が和解に至る物語。
脚本がガーウィグとノア・バームバックの共著なのも納得で、これは女性目線だけでは成立しない。
現実で女の子にファシスト呼ばわりされ、ガッツリ落ち込むバービーの、成長と選択の物語としても観応え十分。
ブログ記事:
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