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バービーのmのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

今頃は、Barbie に大統領がいたり、医者がいたり、着々と多様化が進んでいる。世の中にもそういった女性がいることに力づけられる一方で、目立った特徴もない、まだ何者にもなれていない自分の姿に不安を感じることもあった。これまでにも映像作品や文学を通して女性のエンパワーメントやシスターフッドに触れ、家父長制と求められた女性らしさから逸脱したいという思いが強まる一方で、自分は世の中が「次に求めている」自立した活躍する女性にならないんじゃないか、でもそれってどうしたらいいの?と分からなくなることもあった。
映画を見て、まず、わたしがわたしであるということに最も意味があり、それだけで人生には十分に価値があるということに気付かされた。本当に理解するにはまだ時間がかかるかもしれないけど、それはそれで自分の信念を強固するために必要な時間だと思う。
美しく完璧な体型、顔、従順な女性像。完璧になろうとするのはいい、でもその「完璧」が誰によってつくられたものなのか一度考えてみたいところ。華やかで美しいものだけが溢れる Barbie Land も楽しいだろうけど、木漏れ日のなかで感じる暖かさに気づくことや、暗く悲しい気持ちと対峙する(あるいは受け止める)時間というのは、自分を理解して見つめ直す機会を与えてくれる。Barbie が人間になる道を選んだように、苦しく辛く終わりがある人生を、わたしらしく生き抜いていくための覚悟と勇気を大切にしたいね。
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