着せ替え人形バービーの実写映画化。バービーランドで平和に暮らすバービー人形が現実の人間世界へ行くことになる。
予告やポスターから、一見するとポップでただの能天気な映画と思わせておいて、現代社会を皮肉った強烈なジョークが散りばめられたブラックコメディであり、フェミニズム的なテーマを内包したメッセージ性の高い映画になってる。
バービー人形については詳しくないのだけど、Netflixのドキュメンタリー番組『ボクらを作ったオモチャたち』のバービー回を事前に観ていたから色々小ネタにも気付けて良かった。
ドキュメンタリー観てなくても、冒頭のユーモア溢れる映像でバービー人形登場の歴史とその影響を端的に分かるようになってるのが見事。
ファンタジー世界の住人が現実社会に行く展開は別段新鮮でもなく、それこそ定番なギャグもあるけれど、バービーランドのゆるふわな世界観と現実社会とのギャップをそう描くのかと驚いた。
それに展開が早く、もっと状況を引っ張るかと思いきやすぐに次の展開に続くのも予想外で良かった。
特に好きなシーンは男の気を引く手法がいくつか紹介されるシーン。自分にも当てはまるからこそ、男が女からどう見られているのかを突きつけられる居心地の悪いシーンではあるのだけど、あまりにも的確すぎて笑っちゃう。
主演のマーゴット・ロビーの演技も最高。"何も考えてなさそうな金髪白人美女"をやらせたらやっぱりマーゴット・ロビーはピカイチ。
ライアン・ゴズリングが珍しく馬鹿キャラ演じてるのも新鮮で良かった。これなら『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の主演も安心。
ドラマ『セックス・エデュケーション』のメイブ役のエマ・マッキーが出てたのも嬉しかった。