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バービーのoimoのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

女性蔑視や行き過ぎた資本主義、マッチョイズムやルッキズム等々…今ある社会問題をキラキラピンクでコーティングして投げかけてくるバッキバキな社会風刺作。

所々クスッと笑えるところはあったけど、わりと序盤で結末が予想出来る単純なストーリーにこれでもかと現代社会に蔓延するリアルな怒りと悲しみが詰め込まれてて、取り上げられてるそれぞれの問題に関して自分が日頃から関心を持ってるからこそなのか、非日常を求めて行った劇場で超日常であるSNS上の嘆きに満ちたタイムラインを見せられ続けてる感覚に襲われてしまってただただ疲れたしどんよりさせられた。
凄く大事なことだし、普段こういうことに関心を持たない人には是非この作品を観て色々考えて欲しいとは思うけど、私はバービーにこんな辛辣さは求めてなかった…。Z世代の少女にファシスト呼ばわりされて号泣するバービーとか、ちょっと辛過ぎて見てられなかった。
これは勝手に『フリーガイ』みたいなのを期待してた自分が悪いんだけど…。

うんうん、そうだよね、うん分かる、の連続で、そこから何かもう一歩踏み込んでこの作品からの、この監督ならではの解答みたいなものが明確にあったらもう少し後味が違ったのかもしれないけど、そういうものも特に感じられなくて、ってことでした!あとは受け取り手に委ねます〜と広げまくった沢山の風呂敷を全部そのままにして立ち去られると、それがしたかったんだろうことは分かるんだけど個人的には観る前と観た後の気持ちに全く変化も新しい気付きも貰えなくてなんだったんだこの時間…という気持ちになってしまった。

サーシャやグロリアは普通の人間なのにマテル社のCEOとかは微妙〜に言動がバービーランドの住人寄りなのもなんかちょっと不気味だった。何か意味があるのかな、あれは…。実は彼らもみんな人形だったのかとか色々考えてしまったけど、ただの皮肉用ギャグ要員なんだろうな、多分。
あとアランの存在が終始気になる。ケン以上に孤立してて最初から最後まで全員から蔑ろにされ続けるアランは何を表してたのか。
あと途中で入る"マーゴット・ロビーにそんなこと言われても〜"的なメタナレ、ちょっと苦痛を感じるくらいに苦手だった。

歌とダンスははちゃめちゃに良かった。
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