あける

バービーのあけるのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

終盤のシムリウとゴズリングのダンスパートめっちゃ好き🤝
やり切ってる感が最高に良かった……
(あのシーンが好きな人は『ホワイトノイズ』のエンドのダンスシーンも好きだと思うので観てください。私比。)

終始ずっと笑ってたwww

ピンクの服を買ったので着て鑑賞するだけでテンションが高まる。
結構ピンクの人いて良かった。

バービーのファーストルックの写真が出てから楽しみだったのでとにかく完成した作品が観れただけで嬉しい。




バービーの世界は全然知らないで鑑賞。

子供の頃はジェニーちゃんが好きで、よく遊んでいたし、なぜか缶切りで開けた(今はなき細い長いタイプの)空き缶に詰めてしまい出す時に取り出すのが難しく結果両二の腕がザックリ割れてアロンアルファでとめる事になってしまった髪の毛もちょいとざん切りの私のジェニーちゃん。
ケイトマッキノンの【激しい遊び方をされたバービー】を見て思い出す。
何があったわけでもないのに、結果そうなった。

バービーは友達の家にあった気がする。
背も高くて顔立ちも大人っぽいので子供の頃は遊ぼうとか意識もそんなに向かずな記憶。
ジェニーにリカちゃん、ティモテにあとその当時人気のあったアニメのセイントテールの人形でそれぞれ遊ぶのが私の子供時代の思い出(これは私のではなくて友達の家にいたコたちだね)。


冒頭の「人形は赤ちゃんだけだった」でよぎる“ぽ×ちゃん”。
子供ながらにあの人形の何が良いのかCMを見ても全く分からなかったのを思い出して、女の子たちが激しく赤子人形をぶん投げる様が最高過ぎて爆笑していた。(ぽぽちゃんは悪くないけど。アレで遊べる子供はまじですげえなと今だに考えてしまう)



ケンの立場が長い間一緒にいる恋人が曖昧な関係っていうことに衝撃を受けた。
(リカちゃんはそれこそ家族観!なとこがあったので)

バービーで遊んでいないのにケンの存在感や扱いが“そんな程度”なのは実際かつて女の子として育っていた私から見れば男の子の人形の存在はどこでもそんな程度だったから申し訳なさもあるが分かってしまった。
関心が、ないわけよね。
なぜならそれは自分の化身とは思えないから……。

それと同時に、なぜ男の子はケンの人形で遊ばなかったのか?とか考えたり。
遊ぶ文化もまぁないわけだったわけだけど。誰でも人形で遊んで良いのに。
そしてこの映画でも示されるように完全に添え物っぽく、主体がない(キャラ付けはあるんだろうけど…詳しくないが)
それは恋人な存在が必要!みたいなかつての時代の反映でもあったのだろうなと、思ったりはする。


序盤から香る「これ、よくマテル社はオッケー出したな…」の描写に笑うw
【コント重役】とでも言いたくなるシーンが「あれ、これシン・ゴジにこんなシーンあったな…?」になったり男しかいない!日本の国会みたい〜ってなって笑うに笑えなかったりして笑ったw

ドラマ「セックスエデュケーション」組が沢山出ていてとにかく嬉しかった。
あと「アグリーベティ」大好きっコだった私としてはアメリカフェレーラさんの登場はめちゃくちゃ嬉しい。
人形好きな大人という役どころとしても。
あとアランのマイケルセラの存在感。良。

そんでもってゴズリングの腹筋♡
ゴズリング好みじゃないのに腹筋良かった。


フェミニズムと家父長制を下敷きにして広がる冒頭からバービーランドへ人間も向かいバービーランドがケンランドになりそうになるのを阻止するというストーリーの展開に想像してなかったのでワクワクしつつ、ケンたちから主導権を取り返そうとする動きが現実社会でやってる動きに覚えがあり笑えるけど笑えない!けど笑う!で忙しかった。
(マジでいるじゃん、ちょっと何か言っただけで勝手に落ち込んでる人。そんで構えば拗ねないでいる人。まじであれなんなの、にはなるよね)


あと馬と男社会は関係なかったで落ち込んでるゴズリング可愛すぎてクソ笑った。


この世に存在する見えない女性像からの束縛のあらゆる事象を理路整然と並べる台詞が胸を打つわ、そこから「洗脳が解けたわ!」のくだりが突き抜けて面白すぎる、バカバカしいのにバカバカしくなくて、コメディに全振りしているのにまだその展開からさらに人間になるくだりを想像してなくて終盤のシーンでもめっちゃ泣いた。

特に「認められる必要もなくて自分の意思でそう生きれるのよ」というようなことが、最近になってようやく自身がノンバイナリーだったわ〜と気付いたこともあって染みに染みてしまった。

法律はないけど、手術要項もなくなって(日本の性別変更の手続きの内容がペニスとヴァギナでやること差別的過ぎて謎なので変えて欲しいですね。『トランスジェンダー入門』読んで思った)性別Xが新設されたとして選択できるようになったら絶対すると考えてる自分としてはマジで泣いた。


始めの方でケンが現実世界に来て「この世界は男が活躍してる!」の世界からの肯定感を得られるシーン、普通に羨ましい。
自分はそういった【社会からの肯定感】は何も得られなかったし、ブラのサイズや展開されてる形だけ見てもこの世に居場所はないと未だに感じる規格なのでしんどくなる。
その後ケンが体感する“男というだけで生きてもいけない”のが女というだけで特別上手くいくわけではないという認知の欠如を体感したことがあったのでつらいものもあった。
自分と世間の女性像はなんだか違うな…ということがあったし馴染めなかったけど例え今の世間一般でウケるタイプの女性像以外の女性像が主流にいたとしても自分の性別を女と思うこともないのだろうなとは思う。
とかなんだか色々。


そして最後の婦人科のシーンが
心の底から
「自分も婦人科行く前にあのくらい応援されて送り出されてぇぇえええええ!!!!」だったのでバーバラ!ファイト!になった。
エコー検査もほんと嫌過ぎてがん検診を理由つけてスルーしている身としては羨まし過ぎた。(いやはや〜)
あのエール、送ってください、だった。
本作バービーの感想色々書きたいことあるけどそれが1番強かったwwww

(これは個人的な話ですけど子宮があることで婦人と見做されるのがなかなか苦痛であったということに気づいてしまったので子宮という臓器を持ってるから検査も受ける必要はあるよね、と臓器の有無で判断されるのは心の負担が違う…。持ってるし仕方ねぇな、痛いけど気合い入れて受けるか…という気持ちにはなってきている……)

それはそれとしてそのラストでアメリカ劇場は爆笑で終わるとよく見かけるのだけど私の友達は「あんな笑顔で行く場所じゃない🤔」って言っておりそれは確かに〜と思ったのだが、この辺はなんか文化の違いか何かがあるのだろうか。


そんなわけで私の人生的に5.0なんだけど、これまで全然アメリカ映画観てない人にはちょっとコメディのノリ的にのれるのかしら?という不安もあったのでこんな塩梅のスコアにしましたけども、最高でした♡
あける

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