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バービーのkazuoのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.2
夢のような変わらない世界バービーランドで幸福に暮らしていたバービー。ある日そんなバービーに異変が起き、バービーは人間世界へ原因を探しに行く…

ジェンダーは重要な要素だけど、これグレタ・ガーウィグが監督や脚本を務めたフランシス・ハやレディ・バードに共通する、ちょっと痛い人間が変化によって成長する物語だよね!
それをバービーに落とし込んだから毒々しいキャンディの様な世界像になった怪作!
楽しかったです😆

以下ネタバレ含みますので注意⚠️


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この作品は中盤以降バービーよりもケンの方が目立つと言うか💦
バービーランドでは男性(ケン)は弱い立場で、バービーあってこその付属的なと言うか。で、承認されない不安定な自我の中で人間世界の"有害な男らしさ"を知りバービーランドをそれに染めてしまうという💦
この"有害な男らしさ"がとてもカリカチュアライズされて描かれているから男性の中には不快に感じる人がいるかもだけど、そもそもバービーランドの男性は人間世界の女性的立場なのだから深読みすれば"行き過ぎたフェミニズム"に置き換える事も可能かと。

でもそれらジェンダー要素は決して主題ではなく、変化のない安定した世界である種の無知だったバービーの成長のための経験として描かれている。そして成長したバービーは代償としての死を受け入れ人間になることを選択し、安定した人形の世界(仮想現実或いはモラトリアム)から不安定な人間世界(現実社会)へ冒険の旅(人生)を歩み出す。
と、ひとつの成長譚として解釈したので、グレタ・ガーウィグらしいなと思った次第です🎵
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