オープニングから底抜けナンセンスなセリフやダンスが楽しかった。シチュエーションは案外限定的ではあるが、バービの世界観を甘ったるいまでに具現化したセットも見るだけで楽しい。マーゴット・ロビーのバービーとしての説得力もあって「バービー」の映画化としては完璧に思える。
フェミニズム映画との前評判が気になってはいたが、現実世界の女性への抑圧を描くだけでなく、その抑圧にバービー人形もまた貢献してきたという事実をしっかりと見据えつつ、嫌味のないところにきちんと着地するクレバーな展開も好ましかった。何より、こうした話をしている間もずった画面はバカバカしさで満ちているのが素晴らしい。
