てれぴん

バービーのてれぴんのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

聖書の骨とフェミニズムの肉を持つ、「複雑で楽しいことばかりじゃない現実をそれでもやっていかなくちゃ」という映画だった。

アメリカの映画やドラマ、音楽などに触れて育ってきたので、個人的に観ていてすごく楽しかった。オープニングのかく語りきは爆笑したし、パステルなカリフォルニアとか浜辺でギターとかスタローンの毛皮とかダンスで和解する男たち、あと「秘書のアメリカフェレーラ」「変わり者のケイトマッキノン」「誰やねんウィルフェレル」みたいなところも楽しい。
「BBC版高慢と偏見を7周」のところで私のための映画だとめちゃくちゃ思った。

バービー(とケン)のアイデンティティを問う映画なので当然フェミニズムが肉としてあるけど、結構説明的な台詞によるものだったりするので、それはそうだよね〜とシンプルに共感する感じには留まる。(映画が悪いわけではなくて、そういう類のテーマだからだとも思う)
むしろ人形としての実存の部分(定番バービーは何者でもないとか)をフェミニズムと一緒にやっているのが良かった。最後の婦人科も「もうつるぺたではない(肉体と向き合う)」てことかなと。

テンポの良さやティーンの描写などはかなりイマドキ感があり、全米大ヒットも頷ける。母親が娘を連れて観に行きたい映画なんじゃないかな。父親と息子にはゴッドファーザーがあるけど、次は「ケン」「アラン」も観てみたい。
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