Kaji

バービーのKajiのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ギャグ線と皮肉の線が高くてよく笑った映画でしたが、正直もう一歩深めて欲しかったなって思いました。


典型を脱いで実存に気づくきっかけが、挫折っていう普通な映画が、ヴィジュアルとダンス、ファッションドールのコンセプト変遷でこんなにゴキゲンなるんだってのはグレタ・ガーウィグの辣腕だなと思う。
ぜんぜん添え物だったケンが人間の世界でマスキュリニティの有利さに気づいてから壮大な自己肯定感のもと作り上げたのがモジョどじょカサハウスのクソダサさ、マンスプあるある、焚き火のギター弾き語り4時間、爆笑シーンがたくさんで弾数多い。こういう飽きさせなさのうまさってエンターテイメント界が作る虚飾を皮肉らながら、子供の頃の遊びが拡大していてほんと笑った。
ガーウィグとバウムバックが人形遊びしながら作ってそう。

ケンのWARが目的を失ってる中をマテル社幹部が歩くっていうシーンは笑いました。
資本主義がWARの真ん中をあるくってガーウィグのぶっ込み冴えてる。バービーランドで片や争い中のなかするっと憲法改正を食い止める投票が行われるって、すごい皮肉だなー。逆だもんね。洗脳を解かれたバービーだし。

つるぺた問題は、あれはレイティングのラインが影響したのかなと思いましたがラストシーンの伏線が消えちゃっててもったいないですね。
ラストシーンの婦人科はヴァジャイナが無いバービーが人間になったって合図だったのでは。

他者の望む事を叶えられなければ能力がと劣ると評価されるってジェンダー問わず起こる事なので、あのヘンテコハウスでの母のスピーチは全対象だったんだろうな、、ねじ込んだ感あったけど、廃盤たちの前で言うってのが良い。


バーベンハイマーの炎上でまぁまぁ観るモチベーション落ちてたんですが、行ってよかったなとおもう。

シムリウのウザさとか、アランの国境での闘いとか、一回引っかかるとそこにも何かあんじゃね!?って思える演出も。
ここまで色々出てます感を出すなら、各国のバービー出て欲しかった。
私はジェニーちゃん世代ですが、少女漫画とファッションドールの接続とバービーの世界って、どうなんのかなとか。

終わってみたらケンのWARのプラスティックなダンスバトルが1番笑ったかもな。
Kaji

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