きざにいちゃん

バービーのきざにいちゃんのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.9
話題作を待ち合わせの空き時間にやっと観られた。

さすがレディバードを作ったグレタ・ガーウィグの脚本・監督。

面白かった。
現代社会の皮肉たっぷりの風刺劇だが、現代社会における女性たちがバービーランドなのか、あるいはケンダムの人々なのか、どちらの比喩にも取れる“リバーシブル”な風刺になるっているところがニクい。

個人的には「理想の女の子」として「仮定法過去(実際はないがそうだったら素敵という願望)」として創られたバービーを、「理想のマッチョな男」となぞらえて、現代社会の男性側の比喩として観た。
ただそういう見方をしていても、後半「どっちがどっちなの??」と混乱して来るが、その混乱こそが、今のジェンダーレス台頭の混乱の写し鏡であり、進むべき方向の暗喩なのかもしれない。

それにしてもマーゴット・ロビーである。
初めて彼女を見初めた(?)のは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。その後『スーサイド・スクワット』シリーズ、『スキャンダル』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『バビロン』と演じる役の幅をどんどん広げる変幻自在の役者ぷりには脱帽。
『スキャンダル』で共演した似たタイプのシャーリーズ・セロンと共に次回作が楽しみで仕方ない。