「革命を起こしたら、結局振り出しに戻りました」というような映画じゃない?と思ったら、旧約聖書が通底にあると聞き納得した。
劇場を出た後のもやもやは1週間以上経っても晴れない。リゾのテーマが流れるシーンの、憂いの感情も自然色も存在しない世界は個人的に居心地が悪く、ラストを新人類誕生と解釈するなら、結構不気味なことを描いてる映画でもあるんじゃないかと思った。俺は結局ケンダムの人間なんだろうか？ケンダムにも別の種類の(と言うか現代的な)居心地の悪さを感じたのだけど…
有害な男性性を絶妙に切り込むジョークも個人的には(特に日本において)シリアス過ぎるゆえかバカ映画として許容できなかった。でもケンダムの住人以外の男子でも女子でもそれ以外でも、そういう人はいるのかもしれない。奇妙だと思う事自体、現代の矛盾に切り込んでいる事の証左だし、何よりストレート男性がこの映画について批判的に発する事自体おこがましい気持になるのが周到だ。
