さいころ

バービーのさいころのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.6
男性優位な現実と、女性優位なバービーランドの対立構造で、男女両方を殴ってて笑った。映像のオマージュがイケてて、初っ端の2001年宇宙の旅にやられた。戦争部分はプライベートライアンかな。ほかにもあるはず。創造主の脱税までぶっ放すのは、流石アメリカだなと思った。

作品はバービーが好きな子どもたち向けというより、仮想から卒業した大人の女性たちへの応援ととれる。婦人科は少女から女性への変化ともとれるし。

ただ面白いか?というと悩む。映像のオマージュや小ネタなどに笑ったものの、内輪ネタにもみえてしまい、作品の評価を上げるに至らなかった。もちろん、パワーあるセリフもあるのだろうけど、そこが肝という感じもしないから…。

個人的に、女性の女性らしさからの解放を訴えるとともに、ケンが現実(ケンにとっての仮想世界)で男性らしさを持ち帰るシーンで女性がフェミニズムで解放を訴えることへの嫌味を伝えているようにもみえた。現実世界だと資格や能力でちゃんとケンを弾くし、バービーランドだと「人をまとめるのって大変だー」と落ち着く。男性・女性ではなく、能力主義に準じているのか?という疑問の投げかけにみえた(現実とバービーランドに変化があるといいね、というエンドでもあるからね)。
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