見た目も楽しいし小ネタも多いし展開が早いから全く飽きず、映画館での集中力が落ちつつある最近だったけど最後まで楽しく観れた。
ただ絵面のコミカルさとは裏腹に、人間界初手、同じようにナイスバディが注目されてもバービーは居心地悪く感じ、ケンは自信を持つところから現実のグロさが端的に表される…。実際マッチョはすげえ、の目線以外に性的にも見られてると思うんだけど居心地はどうなんだろう。
幸いにして学生時代から社会人になっても抑圧の薄めな環境で生きてきたと思うけど、一時期フェミニズムに触れて自我が確立した気もするし、男社会での理不尽で洗脳が解けていくところはなるほどなぁと思った。
ただその後コミカルだけど痛烈なマンスプ皮肉に笑いつつ、「いうてもこういう習性を逆手にとって褒めて色々やってもらえるのは楽だと思う時もある。それも洗脳なのかな。ただそういうふうにも思えないとなると、いよいよ生きづらくなるな」と洗脳の心地よさも感じてしまった。
ケンにはもっと制裁が与えられてもよくない？！て思っちゃったけど、ケンは元々抑圧されていたわけだし、急に男であるだけで権力持てるのか？！てなったら大はしゃぎも致し方なしだろうか。
最近正欲を読んで、性的嗜好はアイデンティティと密接に結びついていると思ったところだったので、最後の婦人科に行くところは性器ができてバービーがいよいよ人間として歩み始めたということと受け取った。それまでの車内のやりとりも就職面接に行く人を励ますような、新たな門出に向けられたものに見えたので。
