柾木嶺

バービーの柾木嶺のネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

ビジュアルはいい。役者もいい。思想はキツイ。そんな作品だった。

完璧な女性のバービーはある日ワンダーなパワーを失って口が臭くなりベタ足にセルロイドが現れる。 それを直すために現実世界へ行くが、そこでは女性の理想が実現されてはおらず……というストーリー。
バービーを「美人で輝く理想の女性像」から、「自分らしさの象徴」みたいなところへアップデートしたかったんだなとはひしひしと感じた。

意識的にも無意識的にも上から目線な映画なのでまずそれが鼻につく。
しかも批判の対象は明らかに「ステレオタイプなアメリカのマッチョイズム」だ。女性の価値観はアップデートしようとするくせに、男への理解は旧時代的なまま最後まで変わらない。
アメリカ人的には今もまだそうだよね、という感じなのかもしれないが、日本人の自分には「これがリアルの世界!」と言われても全くしっくり来ない。

またバービーが完璧な女性で無くなる原因もどうなんだろう。ケンのマッチョイズムだけでなく、根本の原因は「現実世界に疲れた母親の逃避行為」だった。つまり完璧な女性も母になればそうじゃなくなる、と言っているわけだ。
(自分らしくは生きれる)

そもそも多様性の話をする時に男女二元論に固執してるのもそうだし、ほんとうにバービーワールドのように声だけデカくて中身のない映画だったな
柾木嶺

柾木嶺