Millet

バービーのMilletのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.8
名セリフ満載のこれぞ世の中に爪痕を残してくれた非常に社会風刺的皮肉映画。エンディングはハッピーエンドだけれど。

最期の空間で「母親は子供が振り返った時にどれくらいの自分が進んでいるか確認するために、同じ場所で立ち止まって見守るものなのよ」というバービー制作した本人との会話に感動した。
なりたい自分になる為に誰も許しをこう必要はない、それは作者とバービーの関係でも同じ。自分の娘すら思い通りに育てることなんか出来ないんだから。

男社会を作ったケンたちの洗脳にかかったバービーたちをバッサバッサと切り捨てる言葉女のテクニックのシーン。もうこれは男性にはみてほしくないくらいの皮肉映画でもあり、その皮肉に対するアンサー映画でもある。

男の方が満たされない承認欲求を持ち、その承認欲求に振り回されているバカで愚かな生き物、争いを起こすのはいつも男、それも女から見ればくだらない玩具投げ合ってるだけの子供の喧嘩にしか見えない。

でもそうじゃない、本当は男だって自分は自分だと、男らしくだとか女らしくではなく「僕はボクだ」と新しい道を見つけていけばいい…と綺麗にまとめた割に、まだまだ人間世界の女性の社会進出は先の話だし、男がクソチン◯である限りは自身の成長も変化も出来ない未熟な獣と同じ。
でもこの映画は未来はあると示してくれた。
“女を幸せにするだけが男の幸せじゃない”ということだ。下半身に血を集めるだけが全てではないと諦めるべきでもある。

前半はバービーというキャラクターが好きじゃないと退屈だが後半の巻き返しが強すぎるので高評価。

まぁ、とりあえず脳死で見てくれ。話はそれからだ!
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