ククレ

バービーのククレのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞とってなかったら絶対に観てない映画。そもそも、バービー人形を全く知らない。リカちゃん人形は、妹が持ってたから知ってるんやけど、容姿や服は日本人向けやったんやろうね。かかとは地面についてたと思う。

ピンクやパステルカラーの世界観がしんどかったし、登場人物たちの葛藤もよくわからなかった。アメリカ人には共感できたから評価されたんやろうなぁ…。アラフィフのなにわのオッサンには難しかったですわ…。

以下はネタバレ…






まず、オープニングの「2001年宇宙の旅」のパロディーからとても不穏…。赤ちゃん人形を叩き壊すなよ…。単なる能天気コメディとは違うことがわかるで。

気になったのは、マーゴット・ロビーもライアン・ゴズリングも若くないこと。アップになるといろいろ目立つやん…もっと20代のキラキラした無名俳優の方が良かったんやないかな?

バービーもケンも、たくさんいるんやね。はじめはそれがわからず混乱した。いろんな人種が入り混じってるのはポリコレ配慮なのかと思ったけど、もともとバービー人形は多様性に富んでるんやね。

ファンタジーのキャラが人間界に行くストーリーはよくあるけど、バービーやケンが直面する「ギャップ」はけっこう確信を突いてて面白かった。反抗期の娘と母親のやり取りも良かった。そういえばウィル・フェレルは「レゴMOVIE」でも象徴的な役をしてたなぁ。

ケンが「男社会」を目の当たりにして影響を受けて「ケンダム」を作ろうとするのは楽しかった。馬が男性の象徴なのかはようわからんけど、私はちょっと応援してた。だって、最近のハリウッドは「マッチョな男性ヒーロー」が不在で否定されてる気がしていて、ずっとモヤモヤしてたから…。

でも、結局は男はこき下ろされるんやね…。「フォトショップ」「ゴッドファーザー」「弾き語り」なんかは、アメリカでも「あるあるネタ」なのは笑ったけど。短絡的でバカなケンたちはバービーたちにまんまとはめられて逆転される…。「ノルマンディー上陸作戦」みたいな内輪揉めはバカバカしくて笑えたけど、ケンが「女々しく」泣くのは残念…。「男らしさ」はいけないことなのか?

女性たちが「男社会」をやっつける話でしかないんやね。ラスト、人間になったバービーが真っ先に向かうのは婦人科。あくまでも「女性の自立」がテーマなんやね。ケンたちのアイデンティティももっと理解して欲しいなぁ。「ケンダム」を認めて、お互いに尊重しあって共存するみたいな…。

バービー人形を調べてみたら、義足や車椅子とか「障がい者」の人形もあるし、ジェンダーや多様性を意識してることに驚いた。ダウン症の人形まであるんやね。マテル社は、「八頭身のバービー」が主役のこの映画で、いろいろ発信したかったんやろうなぁ。
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