すん

バービーのすんのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
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舐めてた〜〜
表向きはそりゃ女の子向けだけど、そこにあるテーマは男女問わない問題だと思ったし、アメリカ人やっぱり"男たるもの"ステレオタイプが強すぎ説。
色々と世相を落とし込みながら、分かりやすいメッセージ性とコミカルさもある、普通に良い映画だと思いました。

突然立場の向上したケンたちだったが、あまりにも唐突な変化のために自分たちも周りもその状況に免疫がなく、結果的に崩壊へ進んだ。
現代社会では、男女こそ違うものの、権利や権限の変化が急激に進む流れの中で、社会そのものの順応を置き去りにしたルール作りや思想の押し付けが見受けられる。女性の立場向上を批判しているわけでは決してないが、男性中心の社会が何千年と続いてきた手前、数年単位での急激な変化の危険性は明らかであり、辛抱強く人々の認識を変えていく必要があると警鐘している。

ケンダムの崩壊は、自らへの理解の不十分さが責任を他者に押し付ける争いへとつながった。自己理解は他者理解であり、冷静で賢明は判断はそこから生まれる。バービーはケンから追いかけられることに、ケンはバービーを追いかけることに自分の存在意義を見出す、つまり自分ではなく他人に自分の意味を預けていた。
2人が一緒にならないのは悲しかったけど、結果的にそれぞれにとっては別れるのが健全だったのだろう。
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