原題『Barbie』 (2023)
監督 : グレタ・ガーウィグ
脚本 : グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック
撮影 : ロドリゴ・プリエト
編集 : ニック・ヒューイ
音楽 : マーク・ロンソン、アンドリュー・ワイアット
出演 : マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング、アメリカ・フェレーラ、他
さまざまなバービーたちが暮らす完璧な世界「バービーランド」から人間の世界にやってきたひとりのバービーが、世界の真実に直面しながらも大切なことは何かを見つけていく姿を描くファンタジック・コメディ映画。
「アダムとイブ」映画。
そして、
「アイデンティティ」映画。
傑作!とはなりませんでしたが、非常に楽しかったです。
ピンク色を中心としたポップでカラフルなビジュアル、マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリングの見事な好演とメタ的ユーモア満載で観客をたっぷり楽しませながら、「バービー」という題材で、現代におけるジェンダーの問題に切り込み、女の、男の、社会の、有り様を問う、いわゆる「有害な男性性」をはっきり滑稽なものとして、誇張されたコメディタッチの作風で描くことで多くの観客に問いかけるグレタ・ガーウィグとノア・バームバックのクレーバーさが伺える一作。
映画や音楽好きの男性にとって身に覚えがあるだろうマンスプレイニングシーンは苦笑するしかないだろうし…
そして、その監督・脚本をこのふたりにオファーをかけたプロデューサーとしてのマーゴット・ロビーの判断、手腕は見事。