まさなつ

ヒッチコック/トリュフォーのまさなつのレビュー・感想・評価

3.8
昔、本が読みたくて読みたくて、でも高いので何度も立ち読みし、その映画術の深さに夢中になったのを思い出す。

この映画も本の物量には及ばないものの、映像を観ながら解説が聞ける楽しさがある。

『サイコ』のシャワー、『汚名』のキス、『鳥』の俯瞰、『めまい』の教会の塔、、などお約束とも言える有名シーンがたくさん出てくるけど、未見の『間違えられた男』のヘンリー・フォンダの顔が他の男の顔に重なり変わっていくシーンが最高にカッコイイ。
この後、すぐに観た。これはヒッチコックには珍しく重苦しいけど、面白かったです。

ヒッチコックの映画は、映画として後世に残る名作が多いけど、一つのシーンとして記憶に残る名シーンも一杯ある。

ヒッチコックのユーモラスな巨体と、彼を憧れの眼差しで見る少年のようなトリュフォーの姿が、ここに出てくる監督たち、そして我々観客の思いを代弁しているようで、忘れられない。
まさなつ

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