磔刑

ヒッチコック/トリュフォーの磔刑のレビュー・感想・評価

2.7
「この作品に興味を持ったなら、まずは本を読んだ方いい」

元になった本の内容と比べるとどうしても薄く感じる。ヒッチコックの映画技法をもっと詳しく知りたいのなら中途半端な今作を観ずに書籍を読むべきだ。

映画の見所としては現代の巨匠たちによるヒッチコック談義。これは本を読んだ者からしても見応えがあった。デヴィッド・フィンチャーが「ヒッチコックみたいなちゃんとした映画は最近減って、クソみたいな作品増えたわー」みたいな事言ってたけど、具体的になんの作品か気になったわ。とりあえず3作品ぐらい挙げてくれや。

ヒッチコック作品でネームバリューが最も高い『サイコ』が映画史において重要なのは言うまでもないが、近年になって『めまい』の評価が上がって来てるのは不思議だね。公開当時は散々だったらしいけど、今になって批評家から熱い手のひら返しされるって珍しいよね。自分も観たけど、イマイチ記憶に残ってないわ。スコセッシも「いやーあれは凄い映画だー」と言いながらも「でも話はよーわからん🤔なんか分かり難くね?」みたいな事言ってて、現代で高く評価される理由が尚更わからなくなったぞ…😰まぁ暇があればそのうち観返すか…。

とりあえず、元の本は映画好きなら読む価値しかないが、今作は本さえ読めばあえて観る必要性は薄い。しかし、本の中で語られる作品のシーンやカットの映像を観れるで脳内補完する分にはそれなりには有意義だ。なので、本を読んで、興味が沸けばすぐさま鑑賞した方がより本の内容への理解が深まる。

あと、本を読んで一番印象的だったのはヒッチコックの映画技法や手法よりもトリュフォーの熱過ぎるヒッチコック信者っぷり。その異常なまでの熱量は紙面からも伝わって来て、トリュフォーの気迫に押されたヒッチコックの「おぉ…😰(なんやこいつ…)」みたいな雰囲気が印象的。
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